2015 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化により次元制御した分子空間の分子組織化学
Project/Area Number |
15H02167
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 健太郎 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (40281589)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 超分子 / 金属錯体 / 液晶 / 自己組織化 / 分子組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自己組織化による分子組織構築を行い、孤立系、連続系の次元制御された分子空間を構築し、プログラムされた固有の電子的相互作用の発現による柔らかい(=分子間相互作用の能動的制御に基づく)機能の創発を目的としている。今年度は、以下の成果が得られた。(1)階層的自己組織化をもとにしたナノ空間を内包したカラムナー液晶の構築を行った。多孔性材料として、結晶性もしくは固体の材料が作られてきたが、本研究では、流動性、相転移性をもつ多孔性材料として大環状金属錯体型カラムナー液晶の構築に成功した。内部に形成した柔らかいナノ空間を利用して分子の認識、集積、配向、反応場の構築を目指している。(2)自己組織化と結合の不活性化を組み合わせることによる新規分子組織構築法の開発を行った。自己組織化の利点として、熱力学的安定性を設計することにより多数の分子コンポーネントを一度に組織化することが挙げられる。一方、自己組織化は可逆的な結合形成をもとにしているため、生成物が条件の変化により不安定化することがある。本研究では、金属錯生成の可逆性をもとにした自己組織化と金属イオンの酸化による反応不活性化を組み合わせることにより、速度論的な反応性を抑えた安定な大環状金属錯体を合成することに成功した。また、その安定性に基づき、機能性分子の組織構造の構築を行った。これらの研究成果は、Dalton Trans.誌やChem. Lett.誌などへ報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、構築を目的としていた、液晶性大環状化合物によるソフトマテリアルの構築、自己組織化による分子組織構築の欠点克服に向けた解決への指針を示すことができたため、研究は、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
自己組織化をもとにした分子組織構築をさらに大きく展開し、分子空間を利用した機能構築へと展開する。
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Research Products
(38 results)
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[Presentation] Liquid Crystalline Metallo-Macrocycles2015
Author(s)
Kentaro Tanaka, Shin-ichiro Kawano, Yukari Ishida, Masahiro Kato, Masato Nakaya, Jun Onoe
Organizer
5th Asian Conference on Coordination Chemistry (ACCC5)
Place of Presentation
Hong Kong, China
Year and Date
2015-07-12 – 2015-07-16
Int'l Joint Research
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