2015 Fiscal Year Annual Research Report
オンチップ細胞計測を基盤とする光合成細胞の外部刺激応答特性の解明
Project/Area Number |
15H02226
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
新井 史人 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90221051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
魚住 信之 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40223515)
丸山 央峰 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60377843)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / 超精密計測 / ナノバイオ / 機械力学・制御 / バイオ関連機器 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラン藻に外部刺激を与え,その場で力学的応答を計測するための高剛性マイクロ流体チップを設計し,試作した.また,力センサを設計して力計測を行った.さらに,ラン藻を送り出して計測部に固定する搬送機能の実験および環境制御システムの構築を進め,マイクロチャンバで細胞の力計測を行った. (A)微細加工・システムを構築した.まず,マイクロ流体チップを作成した.SOIウェハを基板として利用し,フォトリソグラフィ加工によって作成した.シリコンおよびガラス材料のドライエッチングを取り入れてマイクロ流体チップを作成した.さらに,チップを光学顕微鏡に取り付けて計測するための治具を作成して,実験システムを構築できた. (B)力学刺激・細胞計測を行った.まず,力学刺激のため,力計測系の設計と試作を行った.ラン藻の変形には直接外部駆動方式を適用し,駆動・計測特性を確認できた.力センサはモアレ干渉縞を利用して位相差検出を行い,弾性変位の計測分解能を高め,力計測を行った.次に,センサの高剛性化を目指して,水晶振動子を用いた力センサの応用を検討した.また,マイクロ流体チップの流体制御を行い,光ピンセットを利用し,ラン藻を流路内でローディングしながら高速に計測位置に固定する搬送機能を実現した.さらに,環境制御・力刺激・細胞計測を行った.細胞を操作し,刺激前後で機械特性や形状を計測した. (C) 環境刺激・細胞計測を行った.外部刺激を与えた細胞をマイクロチャンバに移し,一細胞限定空間にて計測した.まず,環境計測センサを作成し評価した.pH,温度を計測可能な蛍光試薬を計測用インジケータとして,計測用プローブを作成して特性を評価した. (D)細胞計測・評価・機能解析として,外部刺激によるラン藻の力学的特性計測と評価を行った.ラン藻の遺伝子不活化株を用意した.外部刺激に対する細胞応答を計測した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的を達成するため,まずはオンチップ細胞計測基盤を確立することが優先される.マイクロ流体チップを作成し,マイクロ流体チップのシステム統合を行って実験システムを構築できたことは順調な進捗といえる.また,実際にラン藻に対して外部刺激(浸透圧刺激)を与えた後に,単一細胞レベルで力計測を行うことができたため,ラン藻の応答特性を評価するための基礎ができおり,順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
特に大きな問題点はないが,引き続き以下に沿って進める. ラン藻に外部刺激を与え,その場で力学的応答を計測するための高剛性マイクロ流体チップの改良を行う.特に,力センサの剛性を向上する.さらに,ラン藻を送り出して計測部に固定する搬送機能の実験および環境制御システムの評価を行う.また,マイクロチャンバでの細胞刺激・計測実験を進める. (A)微細加工・システム構築 (B)力学刺激・細胞計測 (C) 環境刺激・細胞計測 (D)細胞計測・評価・機能解析
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Research Products
(6 results)