2015 Fiscal Year Annual Research Report
実物モデルを用いた性能評価に基づく高耐久コンクリート床版の開発と実装
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15H02259
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
岩城 一郎 日本大学, 工学部, 教授 (20282113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
子田 康弘 日本大学, 工学部, 准教授 (40328696)
内藤 英樹 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50361142)
細田 暁 横浜国立大学, その他の研究科, 准教授 (50374153)
石田 哲也 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60312972)
藤山 知加子 法政大学, デザイン工学部, 准教授 (60613495)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コンクリート / 床版 / 品質 / 耐久性 / 塩害 / 凍害 / アルカリシリカ反応 / 疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,6月まで6種類の実物に近い鋼主桁上鉄筋コンクリート製床版モデルの膨張収縮挙動および表層品質を計測した.また,これらの膨張収縮挙動についてはマルチスケール解析を用いた再現解析を行っている.ここで,6種類の床版とは,(1)標準供試体(W/C=55%,Air=4.5%),(2)低品質供試体(W/C=65%,Air=3.0%),(3)高品質供試体(W/C=45%,Air=6.0%,膨張材使用),(4)最高級供試体(高品質仕様+フライアッシュ使用+封かん養生3か月),(5)標準供試体+封かん養生,(6)標準供試体+機械仕上げである.その後,これらの床版を解体し,コアを採取した後,これらの供試体を凍害促進試験および塩害促進試験に供し,現在測定中である. 一方,10月以降鋼主桁上には新たに6体のRC床版を施工した.その内訳は(1)標準供試体(1期の標準供試体と同様,ただし秋施工),(2)高炉セメント供試体(W/C=45%,Air=6.0%,封かん養生1か月),(3)フライアッシュ&中空微小球供試体(1期の最高級仕様と同様,ただしAE剤の代わりに中空微小球使用),(4)ASR供試体-1(標準供試体と同様,ただし骨材に反応性骨材使用),(5)ASR供試体-2((4)と同様),(6)2層打ち供試体(基層に最高級仕様,表層にポリマーセメントコンクリートを同時施工した供試体)である.これらのうち,(6)を除く5体についてはすでに打込みが完了し,現在,膨張収縮挙動および表層品質を計測中である.(6)については施工に失敗したため,その原因を究明した上で,計画を見直し,平成28年度に再度実施する予定である.以上の研究成果は,後述する3編の論文等で公表すると共に,(6)については2件の特許を出願した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は6月までに第1期の計測が完了し,予定通り耐久性試験へと移行した.一方,第2期として,10月から3月にかけて新たに6体の床版を作製しようと試み,(6)2層打ち供試体を除く5体の作製に成功し,計測を開始した.なお,2層打ち施工については打込み当日,基層部分のコンクリートに想定以上のブリーディングが発生し,その影響で表層のポリマーコンクリート部にひび割れが多発するという問題が生じたため,急きょ施工を中止し,翌日当該部分のコンクリートを取り除いた.このように,一部供試体の作製に問題が生じたが,それ以外は全て当初予定通り進行しているため,おおむね順調に進展していると判断される.
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Strategy for Future Research Activity |
1期で施工した床版6体については引き続き凍害促進試験および塩害促進試験を実施する.一方,現在計測を行っている2期で施工した床版5体については引き続き膨張収縮挙動および表層品質に関する現場計測を実施する.このうち,(1)標準供試体,(2)高炉セメント供試体,(3)フライアッシュ&中空微小球供試体については秋に材齢1年を迎えるため,1期同様,床版を解体し,コアを採取した上で,各種耐久性試験を実施する.一方,(4),(5)のASR供試体については,ASRによる膨張に時間がかかるため,もう1年ASRによる膨張挙動をモニタリングし,その後の計画を考えるものとする.さらに,(6)については,基層および表層の材料開発を行うとともに,2層打ちの締固め装置を改良し,再度実施を試みるものとする.これらの実験・計測データはマルチスケール統合解析の入力値とし,再現解析を行うと共に,長期耐久性シミュレーションを実施し,東北の復興コンクリート構造物などに実装していく予定である.
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Research Products
(4 results)