2016 Fiscal Year Annual Research Report
蛇行長期動態の物理機構に基づく自然営力順応型川づくり
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15H02267
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| Research Institution | Hokkaido University |
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Principal Investigator |
清水 康行 北海道大学, 工学研究院, 教授 (20261331)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 一郎 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (60225026)
竹林 洋史 京都大学, 防災研究所, 准教授 (70325249)
井上 卓也 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(寒地土木研究所), 研究員(移行) (20647094)
田中 岳 北海道大学, 工学研究院, 助教 (90333632)
渡邊 康玄 北見工業大学, 工学部, 教授 (00344424)
泉 典洋 北海道大学, 公共政策学連携研究部, 教授 (10260530)
竹門 康弘 京都大学, 防災研究所, 准教授 (50222104)
川村 里実 (山口里実) 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(寒地土木研究所), 研究員(移行) (70399583)
渡部 靖憲 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (20292055)
山田 朋人 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (10554959)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 蛇行河川 / 流砂 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
H28年度では前年度までの主な検討対象であった砂礫床河川の蛇行現象の対象を拡大させ，より現実に即した現象に適応させるため，岩盤河床河川，湿地河川，急流河川，粘着性護岸を有する河川の蛇行等について検討を進めた．また災害時の突発的な蛇行形状変化に関する検討も実施した．
まず山地河川のように河床が岩盤で構成される河川の蛇行現象の解明を目的として，一様湾曲部における岩盤の侵食過程を明らかにするための実験を行った．無限長の一様湾曲部を再現するため円形水路の水面に接したドーナツ状板を回転させ，シアーにより流れを作りだした．内岸側に二次流による堆積砂州が形成されること，水路内の砂が十分でない場合は外岸側に岩盤露出が生じ，砂で覆われた領域との領域境界で活発な侵食が発生することが明らかとなった．これらの現象を再現できる数値解析モデルの構築を行った．また，風化現象やニックポイントの上流移動について，実験および数値解析を用いて分析した．急流河川については，反砂堆上の水面波に関する線形安定解析を行い，水面波と砂州が共存しうることを確認した．一方，湿地河川については，直線部と屈折部が連続する特有の蛇行形状に着目し，大型水路を用いての流れの可視化とLDV計測を実施した．粘着性護岸を有する蛇行については，河岸土砂の粘着性と河岸内の不飽和浸透流を考慮したブロック状の河岸崩落現象の数値解析モデルを構築するとともに水路実験を実施し，ブロック状の河岸崩落現象の数値解析による再現を試みた．また，ミャンマー国マンダレー市周辺のエーヤワディー川の流れと河床変動の現地観測を開始した．一方2016年8月北海道豪雨災害を対象に蛇行の直線化，直線流路の蛇行化等の急激な流路変動を観測し，それらが流砂非平衡性によるものであることを例証した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一般的な砂礫河川の蛇行現象から対象を広げ，粘着性護岸，岩盤河床河川，急流河川，湿地河川などの蛇行現象を広く扱い，それらの特性やメカニズムを明らかにすることに成功した．また，台風来襲による北海道水害に着目し，機を逃さずその蛇行に及ぼす影響やそのメカニズムを明らかにした．これらの成果より，本研究の進捗状況は当初の研究計画の進行速度に勝るとも劣らぬ迅速性を達成していると判断され，おおむね順調に進展していると判断した．
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| Strategy for Future Research Activity |
平成２８年度の研究でスタートした，粘着性河岸の河川，岩盤河川，急流河川，湿地河川などの研究をさらに発展させ，より広範な河川蛇行現象の解明に力を注いでいく．これと並行して，気候変動や突発災害などの気象現象の影響についても，より深く切り込んでいく．一方で，ケーススタディについては国外の河川の蛇行現象にその主な対象を広げ，わが国の河川の蛇行特性との相違に着目しながら，その特性を検討することで，蛇行の普遍的メカニズムの解明へとつなげていく．
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Research Products
(15 results)
