2018 Fiscal Year Annual Research Report
超高齢社会における住み続けられる地域圏域の共助を促す建築機能配置の構築
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15H02282
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西出 和彦 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (80143379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 勝矢 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 教授 (00334384)
田中 敏明 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (40248670)
祐成 保志 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (50382461)
大方 潤一郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (60152055)
西野 亜希子 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 特任助教 (60601961)
松田 雄二 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (70516210)
大月 敏雄 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (80282953)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 建築 / 機能 / 地域 / 共助 / 再配置 / まちづくり / 医療 / リハビリ |
Outline of Annual Research Achievements |
□柏市:これまで継続的に研究を行っている柏市では、2010年に実施したアンケート調査を参考に、2018年10月~11月に再度アンケート調査を実施した。アンケートは、豊四季台団地内(以下、団地内)に2,843部、団地周辺(以下、団地外)に2,204部、合計5,049部を配布した。アンケートの返信は、1,194部(回収率:24.1%)で、団地内が626部(22%)、団地外が569部(25.8%)であった。2010年と2018年を比較分析した結果、団地内外の高齢者の日常的なコニュニティが縮小しているが、社会的な活動の場として団地内が利用されており、公共性の高い施設は一定程度利用されていることが明らかになった。次に、2018年度のみのアンケートを分析した結果、サービスを提供している施設には、コミュニティをつなぎとめる役割があることが明らかになった。また、医療や福祉を提供している施設については、健康に不安があり孤立している高齢者の利用意識があることが示唆された。
□新たな地域での展開:福岡県大牟田市を対象に、炭鉱住宅地の居住者年齢構成の変容経過から、縮退のパターンの把握を試みた。これまでの研究で明らかにされた住宅種別による変遷のパターンに加え、この研究では持家制度が年齢構成に影響を与えることを明らかにした。 岩手県住田町を対象に、冬期居住施設を利用している高齢者を対象に二拠点居住に着目した実態調査を行った。その結果、除雪の問題が発生するため、冬期生活居住施設は重要な役割を担っているため、利用者の負担を軽減するためには、自宅での生活が維持できる環境が重要であることを明らかにした。大牟田市と住田町の両者を対象に高齢者の居場所に関する調査を行った⑤では、他者との対面・遭遇の場と共に、徒歩圏の畑や川辺などの自然環境と良好な接点を担保する住宅・地域環境の計画の重要性を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの調査地域に加え、2年目以降実施を計画していた新たな対象地域を対象に調査を実施できているため、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
□柏市:まず、2018年度に実施したアンケート調査の分析を深め、高齢期に求められる建築機能を捉える。さらに、アンケートで、許可が得られた方を対象にインタビュー調査を行い、実際に生活する上で必要性を感じているもの(ニーズ)を捉える。アンケートの分析およびインタビューで得られたニーズを基に、それがどのように自助・共助につながるのか、その仕掛けを考察することを目指す。 次に、ESMを用いた事例調査の結果から、居住者の行動(またはその場や空間)と心理に関する分析を深める。
□その他の地域:2018年度に行った住田町での調査である高齢期の居場所に関する研究を、2019年度も継続的に調査を行う予定である。
本年度は最終年度であるため、上記の研究に加え、これまでの調査研究をまとめる作業を行う。
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Research Products
(1 results)