2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of Flow Control Authority of DBD Plasma Actuator in Practical Use
Project/Area Number |
15H02324
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
藤井 孝藏 東京理科大学, 工学部情報工学科, 教授 (50209003)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野々村 拓 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (60547967) [Withdrawn]
安養寺 正之 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (70611680)
関本 諭志 東京理科大学, 工学部情報工学科, 研究員 (50783817)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | プラズマアクチュエータ / 流体制御 / 空力性能 / 失速制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
スケール効果を評価する実験は,企業の協力で7月に実施することができた.結果,小型風洞や小スケールで得られていた知見が,模型スケールで2倍,速度スケールで8倍までの領域(レイノルズ数で言うと10~5程度で得られた知見が10~6位まで)でもほぼ有効であることが確認できた.さらに年明けに別企業の協力で確認試験を実施し,こちらもほぼ同様の結果を得ることができた(米国機械学会で発表予定). 小型風洞を利用した実験では,前縁剥離泡付近の詳細PIV計測を開始した.世界的に見てもこれまでにない詳細な計測で,次年度も継続して試験を実施する.なお,初期の成果は,米国航空宇宙学会および日韓機械学会流体工学会議にて発表予定である. また,閉ループによるフィードバック制御実験を開始,スレッシュホールドとなる変動幅の影響など前年度の数値シミュレーションと同様な結果が得られた(米国機械学会で発表予定).詳細な解析を継続するとともにより効果的な制御手法を複数アクチュエータの利用可能性も含めて検討していく. 続いて,数値シミュレーション関連の成果について記す.巡行時を対象とした制御シミュレーションの結果を引き続き分析した結果,このレイノルズ数域では翼面状に並ぶ2次元渦が流れを物体面付近に維持する作用に寄与している可能性があること,層流剥離渦と呼ばれる典型的な前縁付近の流れ構造において3次元的な乱れ成分よりもこの2次元渦の作用が再付着現象により重要である可能性など既存の理解以上の情報を提供する結果が出始めている.次年度は,実験も含めてさらにこの点を解析していく.フィードバック制御に関しては新たな制御方法を提案した.これによって課題であった閾値の影響などを取り除くことができ,流れ条件が変化する状況下でのアクチュエータ利用のロバスト性の向上につながると期待している(米国航空宇宙学会にて発表予定).
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験,シミュレーションとも概ね予定通りに進んでいる. 理科大採用の新規ポスドク研究員が本課題の研究に加わったことで,JAXA研究者が夏に異動となった影響を最低限に留めることができた.本研究,特にJAXA宇宙研に設置した小型風洞の実験に携わっている学生については,上記の理科大所属ポスドク研究員が中心となり研究を促進,申請者が頻繁にJAXA宇宙研を訪問すること,月に一回進捗報告会を実施することで問題なく進んでいる.備品関係では以下のような変更があった.2次元のフィードバック制御のシミュレーションがかなり進み,3次元のシミュレーションが始まったことから,コンピュータ関係の設備導入を当初予定の小型ワークステーションより強化し,強力なラック型のサーバーを導入した.また,実験データに加えて,大量のシミュレーションデータが発生したため,これに加えてデータ保存用にディスクを導入(増強)した. スケール効果を評価する大型の追加試験は,企業所有の風洞利用であることからスケジュール確保していただけるかが今後の研究計画で不確定である.ただ,重要な計測は今年度ですでに終了しているため,万一試験が実施できない場合も研究全体への影響はほとんどないと考えている.また,複数アクチュエータの実験については,圧力計測系などの取り廻しの再考や模型の再作成などが必要となるため,シミュレーションのみで進めるか実験をあわせて実施するかを現在検討中である. なお,本研究課題での成果を活用した翼以外の応用も本課題と並行して進んでいる.自動車メーカとの共同実験が継続中であり,成果の一部はすでに公開されている.
|
Strategy for Future Research Activity |
全体に,研究計画の大きな変更はない.小型風洞を利用した実験では,(1)PIVによるはく離剪断層付近の詳細流れ計測,(2)フィードバック制御の効果確認,(3)ピッチング運動する翼廻りの非定常大剥離の制御(フィードバック制御による動的パラメータの自動変更の可能性評価を含む),(4)巡航状態での流れ計測,などを進めていく.シミュレーション面では,フィードバック制御の高度化をさらに進めるとともに3次元シミュレーションによりこれまでの知見を確認していく.巡航状態での制御のメカニズムについてさらにシミュレーションを進め,結果を検討する.以上の各種研究に加えて,データマイニングを利用した機械学習技術を利用してアクチュエータを貼付した部分の圧力計測欠損を補う研究を進める予定である. 3年間の最終年度になるので,これまでの成果を整理し,限られた研究期間の中で成果が最大となるように優先度を付けて研究に取り組む予定である.得られた成果を国内外の学術集会で積極的に発表するとともに学術論文にまとめていく. 特に実験技術において世界的な評価を得ているデルフト工科大学所属の助教が東京理科大の申請者の研究室に1年間滞在することを準備中である.手続きが順調に行けば,11月以降の滞在となるため,研究協力者として成果の整理に貢献していただけると期待している.
|
Research Products
(22 results)
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Control of Dynamic Flowfield around a Pitching NACA633-618 Airfoil by a DBD Plasma Actuator2016
Author(s)
H. Fukumoto, H. Aono, T. Watanabe, N, Tanaka, H. Matsuda, T. Ohsako, T. Nonomura, A. Oyama, and K. Fujii
-
Journal Title
International Journal of Heat and Fluid Flow
Volume: Vol.62,Part A
Pages: 10-23
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-