2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15H02383
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石川 冬木 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (30184493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 克美 金沢大学, 薬学系, 准教授 (10191280)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | CST複合体 / stn1 / 温度感受性株 / 複製フォーク / テロメア / サブテロメア |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、分裂酵母テロメア結合Stn1-Ten1複合体について機能解析を行った。Ctc1-Stn1-Ten1複合体は各サブユニットがOB foldドメインをもつ1本鎖DNA結合蛋白質複合体であり、出芽酵母、動物、植物に広く保存されている。しかし、分裂酵母においては、Stn1とTen1のホモログは存在するものの、Ctc1のホモログがいまだ見出されておらず、Stn1-Ten1複合体(以下、ST複合体)として知られていたものの、その機能は明らかにされていなかった。stn1あるいはten1欠損は稀におこる自己環状化サバイバーを除くと致死であるため、まずstn1の温度感受性株stn1-1を作出同定した。stn1-1はI177MおよびM180Iの2アミノ酸置換をもち、25度では野生株とほぼ同じように増殖するのに対して、36度では増殖しないことが分かった。許容温度から制限温度に温度を変化させると、stn1-1は4時間でほとんどのテロメア配列を失なった。さらにサブテロメア配列においても、テロメア配列から30 kbにわたってテロメアからの距離と逆比例して、DNAを失っていた。このテロメア・サブテロメア欠失は、細胞をS期に入らせないようにすると起こらず、二次元電気泳動によってサブテロメアにおける複製フォークの進行停止によって起こることが明らかになった。以上の研究から、分裂酵母ST複合体は、従来知られていたテロメア配列のみならず、サブテロメア領域における複製フォークの進行に必要であることが分かった。今後、他生物のCST複合体についても同じことが言えるのか検証する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度においては、CST複合体(分裂酵母ST複合体)がテロメアおよびサブテロメアにおける複製フォークの進行に必要であることが明らかになった。しかし、前年度で明らかにしたCST複合体の塩基除去修復反応における役割がいまだ論文として発表できておらず、早急にまとめる必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
既に明らかにされているCST複合体の塩基除去修復反応における役割を論文として発表するとともに、その他のDNA修復反応に関わる可能性を検討する。
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Research Products
(2 results)