2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H02389
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
反町 洋之 公益財団法人東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, 分野長 (10211327)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カルパイン / 基質特異性 / 組織特異性 / ドメイン構造 / 自己消化 / 筋ジストロフィー / 胃腸疾患 / 細胞内プロテオリシス |
Outline of Annual Research Achievements |
カルパインはほぼ全ての真核生物と一部の原核生物に存在する細胞内調節性プロテアーゼのスーパーファミリーである。良く保存された触媒ドメインの両端に多様な機能領域を保持し、ヒトでは15遺伝子から6構造型の分子が発現する。その構造多様性により、同一ファミリー内においても各分子が際だった特徴(超短寿命、非プロテアーゼ機能、分子間相補能等)を示すという、他のプロテアーゼには見られない特質がある。近年、遺伝学、分子生物学の発展が、各分子種の特徴と機能の関係解明を強力に促進した結果、カルパインのバイオロジーは新たなフェーズに突入した。そこで本研究では、申請者ら自身が明らかにしてきたカルパイン各分子種の生理機能をより精緻に系統化し、得られた知見の生物情報学的な解析からカルパインが生物の特性にどう関わるのかについて理解することを目指している。 生物学的な意義という観点から、CAPN3/6と骨格筋、CAPN8/9/12と胃腸/皮膚、CAPN7と肝臓/脾臓、CAPN11と精巣/精子の組み合わせに重点を置き、各カルパイン遺伝子改変マウスの表現型について、プロテオミクスを基軸とした生化学的解析を行い、カルパインの作用点に関わる分子群を解析した。コンベンショナルカルパインについては、酵素学およびバイオインフォマティクスを組み合わせて、網羅的に基質特異性を解析した。その結果、カルパインの基質切断予測を含め、カルパインの基質認識機構の一部を明らかにすることができ、論文に発表することができた。今後は、これらの解析結果をもとに、カルパインのドメイン構造の共通性と独自性を検討し、構造-機能相関の観点から各ドメインの生理機能を解析していく。そして最終的には、分子間での機能と作用機序の共通点を検討し、生物界におけるカルパインスーパーファミリーの存在意義を考察する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PIも連携研究者も誠心誠意課題に取り組んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
計画は概ね順調に進展しているので、今後も計画に従って、研究を遂行していきたい。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Predictions of cleavability of calpain proteolysis by quantitative structure-activity relationship analysis using newly determined cleavage sites and catalytic efficiencies of an oligopeptide array.2016
Author(s)
Shinkai-Ouchi F, Koyama S, Ono Y, Hata S, Ojima K, Shindo M, duVerle D, Ueno M, Kitamura F, Doi N, Takigawa I, Mamitsuka H, Sorimachi H
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Journal Title
Mol Cell Proteomics
Volume: 15
Pages: 1262-1280
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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