2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H02469
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中西 友子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任教授 (30124275)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二瓶 直登 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任准教授 (50504065)
岩田 錬 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 名誉教授 (60143038)
山岸 順子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (60191219)
杉田 亮平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60724747)
廣瀬 農 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任講師 (90708372)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 放射線イメージング / ベータ線 / シンチレータ / 植物栄養 / 肥料 |
Outline of Annual Research Achievements |
塩分が土壌中に集積し,作物の生育に多大な影響を与える塩類障害は世界的な問題である。世界の陸地の7%が塩類集積土壌であり、耐塩性作物の創出が望まれている。そのため耐塩性メカニズムの解明は、農業上において非常に重要である。植物は塩ストレスを抑制するために3つの戦略、1.吸収抑制、2. 地上部への輸送抑制、3.排出、を行っている。そこで本研究は上記「3.排出」に着目し、これまで開発を行ってきた生きた植物体内の元素動態を解析可能とするリアルタイムRIイメージングシステム(RRIS)を用いて、シロイヌナズナにおけるナトリウムイオンの排出を撮影した結果、根からナトリウムイオンが消失する様子を世界で初めて捉えることができた。加えて、ナトリウムイオンの輸送タンパク質であるSOS1を欠損させたsos1欠損株を用いて撮影した結果、ナトリウムイオンが根に留まる様子も撮影された。SOS1を制御しているSOS2およびSOS3の欠損株においても同様の結果であった。ナトリウムイオンが根に留まる時間は非常に短く、リアルタイムであるからこそ撮影できた結果である。SOS1は根端で多く発現することから、ナトリウムイオンの排出は主に根端で行われていると考えられてきたが、成熟領域において排出されていることがわかった。今後は、SOS1の発現部位を解明することで、より詳細な塩耐性メカニズムを解明していきたい。さらには、塩ストレスと光合成による炭素固定との関係を解析していく予定である。 本研究により開発した根における養分輸送の撮影手法は、養分やストレスなど様々な研究分野への適用が可能である。
|
Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)