2015 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的exome解析による敗血症関連遺伝子の探索と個別化医療への展開
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15H02568
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中田 孝明 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (20375794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織田 成人 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (90204205)
関根 章博 千葉大学, 学内共同利用施設等, 教授 (30425631)
安部 隆三 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (30375795)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 敗血症 / 遺伝子多型 / 個別化医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症(Sepsis)の致命率は依然高い.致命率改善を示す新規治療法の報告は少なく,既存の知見にとらわれない新規発見が必要とされている.遺伝的要因の個人差である遺伝子多型が,様々な疾患・病態の発症や転帰に影響を及ぼすことが知られ国内外で研究され,敗血症の易罹患性や転帰に影響を与えることが報告されてきている.これまでの遺伝子多型研究は敗血症の病態に重要な役割を果たすことが知られている候補遺伝子を選び,それらの遺伝子多型を対象とする研究方法であった.そのため研究成果は選択する候補遺伝子に制限された.この制限を解消するため全ゲノム上の重要領域を網羅的に解析する方法を用い,敗血症に影響を与える新規遺伝子多型を発見し,個別化医療を実現することを目的に本研究を行っている. 敗血症の病態下では,過剰な炎症反応が転帰不良の重要因子であることが知られている.敗血症患者において炎症反応の程度を反映する指標として血中IL-6濃度が有用であることが知られている.そこでIL-6高値を呈した敗血症症例を対象として,網羅的な遺伝子多型解析を行うこととし、検体回収を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子多型研究のための敗血症患者コホートを収集している.そして,収集した者全血よりDNAを抽出し,前処理を加えIllumina HiSeq 2000/2500 platformを用いてwhole exome sequencing解析を行う準備を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
敗血症患者コホートより収集したIllumina HiSeq 2000/2500 platformを用いてwhole exome sequencing解析を行い得たデータは,公開されているデータをcontrolとして用い,caseとcontrolの比較を行う. 次に,別のアミノ酸合成による異常タンパク産生をおこすミスセンス変異の場合は,遺伝子変異がタンパク質の機能に与える影響をSIFT,Polyphen2などの解析ソフトウエアによる機能解析を行い,遺伝子多型に起因するアミノ酸変異がタンパク質に与えるdamaging effectの大きさを算出し,機能解析を行う遺伝子多型の優先順位を決定し,遺伝子変異導入・解析を行う. 既存の報告に依存せずに網羅的に新規遺伝子多型発見を目指す本研究の特徴上,遺伝子自体の機能が解明されていない遺伝子の遺伝子多型が同定される可能性が期待される.細胞・動物実験を用いて発見したターゲット遺伝子をknock down, knock out, over expressionし, 敗血症刺激下でのターゲット遺伝子の役割を明らかにすることも重要な検証実験と考え,得られた結果によっては行うことを検討する予定である.
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Research Products
(2 results)