2015 Fiscal Year Annual Research Report
中国の環境政策・環境訴訟における公衆参加と環境保護組織に関する研究
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15H02593
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
北川 秀樹 龍谷大学, 政策学部, 教授 (60360252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
但見 亮 一橋大学, 大学院法学研究科, 准教授 (20367121)
櫻井 次郎 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (40362222)
相川 泰 公立鳥取環境大学, 経営学部, 准教授 (90412155)
知足 章宏 立命館大学, 国際関係学部, 講師 (90525156)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 公衆参加 / 環境保護組織 / 環境政策 / 環境訴訟 / 環境ガバナンス / 中国 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年から施行された改正環境保護法を受け、環境影響評価制度などの政策運用面での公衆参加と環境保護組織の現状を把握し、その役割・機能を総合的、学際的に解明することを目的に調査研究をおこなった。8月に研究代表者、研究分担者、連携研究者が一堂に会した研究打ち合わせをおこない、調査地域、内容を調整した。 7月、3月に北京大学の汪勁教授、王社坤副教授と面会し、環境公益訴訟の現状と課題、改正環境保護法、改正大気汚染防治法の施行状況について調査した。この結果、汚染設備の押収、生産停止命令などの行政強制の強化、日罰制の厳格な執行など罰則の強化を確認できた。また、12月に山東大学の張式軍教授らを京都に招聘して「中国の環境政策、環境訴訟における公衆参加に関するワークショップ」を開催し、意見交換した。 環境NGOの関係では、北京市、成都市、雲南省、河北省などの団体にインタビューし、活動の現状と課題について把握した。関連政府部門を見つけないと新規登録できないこと、活動資金の不足などの課題があるものの、環境NGOが集まる会議は定期的に開かれているようであり、NGO相互の情報交換は比較的スムーズにおこなわれている。一方で、地方政府の情報公開は環境影響報告書の公開などを除ききわめて限定的である。とりわけ、境外非政府組織管理法の制定に見られるように、外国組織や個人による調査、活動に対する政府の警戒感は根強い。このほか、中国の環境政策を周辺国と比較する視点から、モンゴル国に出張し関係機関の研究者と意見交換した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者、研究分担者は、それぞれ中国側研究者、関係団体とのネットワークを活用して現地調査、関係者へのインタビューをほぼ順調におこなっている。一方で、3月に雲南省環境保護庁へのインタビュー申し入れが直前に断られたこと、中国人研究者の招聘においても厳格な手続きがおこなわれており招聘できなかった研究者がいるなど、外国人の関与に対する警戒感が強く調査研究において若干ながら支障が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、環境NGO、関連団体の調査を継続する。政策制度面の調査については、地方政府へのインタビューは困難が予想されるため、主に研究者や文献を通じた調査をおこなう。現地で研究者によるワークショップ、環境NGOによる座談会を企画するとともに、欧米の研究者との交流を企画し、現行の政治、社会制度における公衆参加と環境保護組織の機能の解明に努める。
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Research Products
(22 results)