2016 Fiscal Year Annual Research Report
The interdisciplinary research on the formation process of the herding society in the Eastern Eurasian glassland
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15H02608
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮本 一夫 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (60174207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 圭太 九州大学, 人文科学研究院, 助教 (00726549)
岡崎 健治 鳥取大学, 医学部, 助教 (10632937)
米元 史織 九州大学, 総合研究博物館, 助教 (40757605)
田尻 義了 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (50457420)
鹿島 薫 九州大学, 理学研究院, 准教授 (90192533)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | モンゴル / 北方青銅器文化 / 板石墓 / 古人骨 / ストロンチウム安定同位体比分析 / ヒトの移動 / 環境変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2009~2012年までモンゴルにおいて調査したダーラム・テヴシ板石墓の英文発掘報告書を2016年6月に刊行した。これを同月に米国ボストンで開催されたSociety for East Asian Archaeology(SEAA)の第7回大会に参加し、配布することにより研究成果を世界に発信した。また、本報告書を国内や海外においても発送した。また、SEAA第7回大会では、Social Change of Herding Society Viewed from the Stone-Slab Graves in Mongoliaと題して発表を行い、科研の研究成果を公表した。 7月下旬から8月前半にかけて、宮本・田尻・松本や九州大学院生とモンゴル歴史・考古学研究所研究員やモンゴル国立大学学生の参加のもと。モンゴル国バヤン・ホンゴール県Emeelt Tolgoi遺跡を発掘調査した。円形ヘレクスール1基と円形墓1基を発掘調査した。この墓地は前年度調査したHyauru Hyaraachと墓地構造を同じくしており、モンゴル西部の青銅器時代墓葬を考える上で貴重な資料を追加することができた。発掘調査後、モンゴル歴史学・考古学研究所で整理作業を行った。この整理作業には岡崎・米元も参加し、出土古人骨の整理調査とともに、他人骨資料の計測や筋発達度付着部発達速度分析を行った。 また、米元はモンゴル出土古人骨20体以上のストロンチウム安定同位体比分析を行った。 鹿島はモンゴル国内でのボーリング調査を継続し、古環境復元の資料を追加させた。 2017年2月には、本基盤研究の本年度の研究成果を持ち寄り、研究会を開いて研究成果の確認を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画より早くに、英文発掘報告書を刊行することができ、モンゴルのみならず、欧米学会においても反響が出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、本研究費で行ってきた発掘の英文発掘報告書の編集などを進め出版を行う。これは、本科研費の成果報告書でもあり、特にモンゴル西部の青銅器時代を考える際の基礎資料となる。 今後、昨年度調査したエメールト・トルゴイ遺跡の発掘を継続させことにより、モンゴル高原西部の青銅器時代墓葬の動向を把握することにしたい。また、モンゴル歴史・考古学研究所にて、モンゴル青銅器時代の古人骨の形質人類学的分析やストロンチウム分析用の歯牙の採集を行う。特に、青銅器時代墓葬の古人骨に骨折などの治癒痕が多いことからも騎馬文化の開始との可能性について考察してゆきたい。また、コーカソイドやモンゴロイドといった人種的な系統性の問題や移動の問題に取り組みたい。特に、歯牙のストロンチウム分析は、移動の問題に適切な証拠を与えることになろう。また、古人骨の年代測定や食性分析により、墓葬編年や生活様式の復元が可能となろう。 人の移動の問題は、環境変動とも関係しており、古環境の復元結果と、これらの移動の痕跡を学際的に研究し、研究会などを通じて、研究成果を歴史復元としてまとめてゆきたい。
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Research Products
(17 results)