2017 Fiscal Year Annual Research Report
The interdisciplinary research on the formation process of the herding society in the Eastern Eurasian glassland
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15H02608
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮本 一夫 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (60174207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 圭太 九州大学, 人文科学研究院, 専門研究員 (00726549)
岡崎 健治 鳥取大学, 医学部, 助教 (10632937)
米元 史織 九州大学, 総合研究博物館, 助教 (40757605)
田尻 義了 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (50457420)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 板石墓 / へレクスール / モンゴル青銅器時代 / エメルト・トルゴイ遺跡 / 三翼鏃 / 円形墓 / 方形墓 |
Outline of Annual Research Achievements |
2013・2015年にモンゴルにおいて調査したボル・オボ遺跡、ヒャル・ヒャラーチ遺跡の英文発掘報告書を2017年7月に刊行した。そして、本報告書を国内や海外においても発送し、特にモンゴル国内の研究者に配布した。 2017年8月にかけて、宮本・田尻・松本や九州大学院生とモンゴル考古学研究所研究員やモンゴル国立大学学生の参加のもと、モンゴル国バヤン・ホンゴール県エメルト・ トルゴイ遺跡を発掘調査した。撥形墓1基、円形墓1基、方形墓1基、板石墓1基を発掘調査した。この墓地は2015年度調査したヒャル・ヒャラーチ遺跡と墓地構造を同じくしており、モンゴル西部の青銅器時代墓葬を考える上で貴重な資料を追加することができた。また、撥形墓の18号墓からは、発掘調査で初めて三翼鏃を発見し、実年代を決定できる可能性が開けた。さらに発掘調査後、モンゴル考古学研究所で整理作業を行った。この整理作業には岡崎も参加し、出土古人骨の整理調査とともに、比較人骨資料の計測や筋発達度付着部発達速度分析を行った。 また、米元はモンゴル出土古人骨のストロンチウム安定同位体比分析を行った。さらに東京大学総合研究博物館米田研究室で、エメルト・トルゴイ遺跡で出土した古人骨の年代測定を行った。 2017年2月には、本基盤研究の本年度の研究成果を持ち寄り、研究会を開いて研究成果の確認を行った。さらに、2017年3月11日には東京大学で開催された第19回北アジア調査研究報告会に参加し、エメルト・トルゴイ遺跡の発掘調査の成果を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エメルト・トルゴイ遺跡で4種類の異なった墓葬を発掘調査することができ、さらにそのすべての墓葬から人骨試料を採集できたため、年代決定が可能である。これにより、調査の目的であるモンゴル東部における青銅器時代墓葬の変遷の仮説を検証できるであろう。その仮説については、『史淵』第155輯で発表した。また、ボル・オボ遺跡やヒャル・ヒャラーチ遺跡の英文発掘報告書を作成し、国際発信をおこなうことができた。さらに英文での調査成果の論文を準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、発掘調査をおこなったことのないモンゴル東北部を踏査し、これまでの発掘調査の知見の検証をおこないたい。また、エメルト・トルゴイ遺跡の発掘報告書を英文で作成し、これまでのモンゴル高原での青銅器時代墓葬研究の総括をおこないたい。さらに、現在、板石墓研究の英文論文を作成し、『Asian Perspective』という国際雑誌に投稿中である。これを発表することにより、研究成果の国際発信が可能である。また、2018年12月にはモンゴル科学アカデミー考古学研究所の研究員を招聘し、国際研究集会を開催し、研究総括をおこなう予定である。
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Research Products
(10 results)