2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study of the relationship between poverty and deforestation in a regional ecosystem
Project/Area Number |
15H02612
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷 正和 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (60281549)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝廣 和夫 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (30284582)
坂本 麻衣子 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (50431474)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 森林減少 / 貧困 / 国際貢献 / 文化人類学 / 林学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地域生態系の枠組みで、森林と住民の関係、特に森林消失と貧困の関係を明らかにすることにある。この目的を達成するためのデータ獲得方法はリモートセンシングと現地調査である。28年度は以下のような調査分析を実施した。 27年度から地域のベースライン情報を得る目的で、研究対象地テクナフ郡全域を対象とした世帯位置とサンプル調査を行い、完了した。この調査ではパラと呼ばれる集落を単位として、その境界、郡内すべての世帯の位置をGPSにより記録し、その10%の世帯に対して世帯属性に関する質問をする調査を実施した。得られたテクナフ郡の6町村5,769世帯の調査結果から、自然保護林内で不法居住する人々は森林外で居住する人々と比べ、収入・教育年数が少なく、生計を立てるための屋敷林のある住居に暮らすことが明らかとなった。居住の期間・地域と、職業および薪の収集・消費に関与する立場の違いが森林内の不法居住に影響を及ぼしていることが示唆された。居住地の周辺では、衛星画像から得た植生解釈のクラスが森林に分類される地域が増加していたが、これは住民が生計を立てるために栽培する果樹や草木類が原因であり、内部の主要な森林減少の状況は変化していなかった。また森林生産力を推定するために、地球観測衛星LANDSATおよびSPOT画像からNDVI(Normalized Difference Vegetation Index,正規化差植生指数)値を計算し、それらを基に類型化した森林地域とDEMデータによる地形の類型分析から調査区を選定し毎木調査を行った。その結果、樹種別の森林の生産量の傾向を把握することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2016年度は2015年夏のバングラデシュ国内でのテロによる影響で、日本人研究者の、現地での安全確保が難しくなり、そのことによって調査活動が阻害された。しかし、現地調査コーディネーターと研究組織メンバーであるバングラデシュ人研究者により継続的に調査活動を行える体制となっていたため、一部の研究協議を除き順調に達成された。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、現地調査コーディネーターと研究組織メンバーによる調査体制で研究を推進するため、研究活動は予定通りに推移すると予想できる。現地調査コーディネーターおよび現地調査員との意思疎通も順調である。
|
Research Products
(12 results)