2015 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナムにおける妊産婦管理および婦人科rare tumorの学際的研究
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15H02660
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉川 史隆 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40224985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶山 広明 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (00345886)
山本 英子 名古屋大学, アジアサテライトキャンパス学院(医), 特任准教授 (10432262)
新美 薫 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20571334)
玉腰 浩司 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (30262900)
青山 温子 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40184056)
炭竈 誠二 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (50378121)
小谷 友美 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (70359751)
柴田 清住 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90335026)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 癒着胎盤 / 産後出血 / 腫瘍免疫 / 絨毛性疾患 / 胚細胞腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
周産期管理、癒着胎盤の病態解明:Tu Du病院およびメコン川流域地域の中核病院Vinh Long病院およびホーチミン市内の一次施設を訪問し、共同研究の打ち合わせを行った。その後も病院の幹部および研究部門と交渉を行い、共同契約書をかわすところまでいたった。しかし、研究実施にあたり、当初は共同研究の計画そのものには修正後合意していたTu Du病院側との交渉において、最終的には調査に関わる協力者への謝金に関して、合意が得られなかった。 今回の調査で、Tu Du病院における分娩数は年間64237件であり、正常分娩が42.2%、帝王切開術は30.820%であった。子癇は60件、産後出血919件であった。ベトナム南部より母体搬送を受けている3次施設となっているが、低出生体重児は10%であった。NICUでは、日本では早産に対する標準的な治療である、娩出前のステロイド投与は積極的には行われていないようであった。また陣痛室には妊産婦が過剰に収容されているものの、適宜分娩監視装置は装着されている様子であった。しかし、日本における産後出血の予防策としての、分娩時の点滴確保は標準的ではなく、輸液ポンプの不足が問題として抽出された。妊産婦健診の項目としては、おおよそ日本における項目と類似しているが、3回程度で日本における平均10回程度に比べ少ないと考えられた。帝王切開術後の癒着胎盤の管理がTu Du病院においても問題となっているとのことが現地スタッフから伝えられた。 婦人科rare tumor患者の管理:周産期管理同様であった。Tu Du病院における婦人科手術は15751件であり、腹腔鏡手術8950件施行されていた。子宮頸がんは626件であり、子宮内膜癌53件、卵巣がんは121件、胞状奇胎は739件、絨毛癌は200件であり、日本に比較し、子宮頸がん、絨毛がんの頻度が高いことが推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
先方とのメモランダムを締結し、当院の倫理委員会の承認もあり、研究は開始できる状態であった。現地調査では、ベトナムの周産期医療、婦人科rare tumorの実態が、ある程度把握でき、その課題を改めて抽出しなおす必要がでてきた。さらに、一方で、ベトナム国特有の問題で交渉が難航している。Tu Du病院が英国はじめ他の海外の研究施設からの協力要請を受けたこともあり、本学との共同研究は、そうした施設との共同研究と比較し、研究費の規模や自由度から優先順位が低くなったとの情報もあり、今後のアジアにおける共同研究における課題のひとつと考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
訪問したVin Long病院はTu Du病院よりも規模は異なるが、今回、訪問により共同研究を希望するとの申し出があった。症例数は少なくなるが、他の周囲の地域病院の症例蓄積にも協力いただくという方針で、こちらの病院と改めてメモランダムを締結し共同研究を進める予定である。Tu Du病院とも、引き続き、共同研究開始に合意できない理由について、情報収集をしながら、合意できる水準を探っていく。
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Research Products
(2 results)