2016 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙機器向けシールドレス耐放射線プログラマブルデバイスの研究開発
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15H02676
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
渡邊 実 静岡大学, 工学部, 准教授 (30325576)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 耐放射線FPGA / 光再構成型ゲートアレイ / ホログラムメモリ / プログラマブルデバイス / 組み込みシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も引き続き、コバルト60のγ線源を用いてホログラムメモリ部、レーザアレイ部、集積回路部に対する放射線試験を実施した。ホログラムメモリ部、レーザアレイ部については300 Mradのトータルドーズ耐性を試験において実証した。これはホログラムメモリ部とレーザアレイ部に既存の耐放射線集積回路の300倍を超える放射線耐性があることを示している。これにより、仮に集積回路部が放射線により故障したとしても、300 Mradまでであればホログラムメモリの情報によりゲートアレイ部を再構成し、故障個所を回避して使用し続けることが可能であることを示すことができた。 また、集積回路部についても故障を許容することで放射線耐性を上げることができることを試験的に実証した。現在のところ、集積回路部はトランジスタの性能劣化が確認されるのみで、致命的な破壊箇所が見つかっていない。今後、この集積回路部の放射線耐性はより高い数値になると見込んでいる。この集積回路部には光再構成を行う際に使用する共通信号であるリフレッシュ信号を全廃する手法が導入されている。これにより、光再構成における共通信号は無くなり、どの箇所が故障したとしても確実に再構成をしてゲートアレイを使用し続けることが可能になった。 今年度までの研究において、光再構成型ゲートアレイシステムを用いれば、故障を許容することで既存の耐放射線デバイスよりもはるかに高いトータルドーズ耐性が実現できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
放射試験下でボンディングワイヤーが外れるという問題が生じ、その解決に苦戦したが、解決策を見つけ、現在では3研究項目とも問題無く進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年はγ線源に加えてα線源を導入する予定であり、それら2つの線源を使用して放射線試験を行なうことで、実験的に耐放射線性能を実証していく。
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Research Products
(24 results)