2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15H02702
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
義久 智樹 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (00402743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 佑介 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (10551038)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インターネット高度化 / 衛星通信・放送 / 情報システム / ストリーミング / インターネット放送 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合ビデオオンデマンド(VoD)システム試験運用のために設計実装を行った結果、当初予定していたものより多数のマージチェーンスケジュールを作成するよう設計実装しなければ、目的とする再生途切れ時間を達成する統合VoDシステムを実装できないことが判明した。結果、当初の計画以上の進展が得られた。 項目1)配信側の戦略:配信側の戦略として、本研究ではマージチェーニング技術を用いている。本年度は、共用できる映像ストリームの分だけスケジューリングの構成要素が増える点に注目し、マージチェーニング技術を各項目と統合した。マージチェーニングと再生環境適応型映像品質との統合に伴い、異なる映像品質であっても再生端末間で共用できる映像ストリームを把握したうえでマージチェーンスケジュールを作成するように拡張した。 項目2)映像品質に関する戦略:映像品質に関する戦略として、本研究では再生環境適応型映像品質を用いている。本年度は、代替映像はテキストや音声のみといった再生内容自体も変更できる点に着目し、再生環境適応型映像品質を各項目と統合した。再生環境適応型映像品質と代替映像創出技術との統合に伴い、再生端末の再生環境に応じて代替映像の品質も決定するように拡張した。再生端末の処理能力が低ければ、代替映像の映像品質を低くし、電池残量が少なければ消費電力の少ないテキストの代替映像を再生している。 項目3)受信側の戦略:受信側の戦略として、本研究では代替映像創出技術を用いている。本年度は、マージチェーニングを考慮しない場合と比べて、予備データに制約が加わる点に着目して代替映像創出技術を各項目と統合した。代替映像創出とマージチェーニング技術との統合に伴い、マージストリームで受信した映像データから代替映像を創出するように拡張した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
統合ビデオオンデマンド(VoD)システム試験運用のために設計実装を行った結果、当初予定していたものより多数のマージチェーンスケジュールを作成するよう設計実装しなければ、目的とする再生途切れ時間を達成する統合VoDシステムを実装できないことが判明した。研究に際しての事前調査が困難であったため、計画を変更したうえで統合VoDシステムを実装したところ、研究が予想以上に進展し、多数のマージチェーンスケジュールを作成する手法の提案に至った。さらに、項目1に関して、異なる映像品質であっても再生端末間で共用できる映像ストリームを把握するマージチェーニングを明らかにし、項目2に関して、再生端末の再生環境に応じた代替映像の品質を明らかにし、項目3に関して、マージストリームで受信した映像データから代替映像を創出する手法を明らかにしている。これらの理由から、本研究は当初の計画以上に進展しているといえる。 本研究の成果は、国際的に著名な情報通信技術に関する学会IEEEが主催する大規模な国際会議IEEE GLOBECOMに採択され、発表している。また、情報学に関する国際学会INFSOCが開催する国際会議IWINで発表したところ、研究成果は特に優秀と認められ、国際論文誌への推薦を得ている。さらに、本研究の一連の成果は国際的に学術図書を出版しているElsevierが発行する書籍に掲載され、国際論文誌や多数の国際会議および国内学会論文集にも採録されている。開発したVoDシステムを、国内外の学会において試験運用し、広く一般に研究成果をアピールしており、今後の発展も期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、平成28年度に統合した各項目の研究内容を拡張し、再生途切れのない次世代ビデオオンデマンド配信に必要な基本的な技術を確立して拡張後、再生途切れのない次世代ビデオオンデマンド配信に必要な応用的な技術を確立する。以下の項目に分けて研究を推進する。 項目1)配信側の戦略:配信側の戦略として、本研究ではマージチェーニング技術を用いている。異なる映像品質であっても再生端末間で共用できる映像ストリームを把握したうえでマージチェーンスケジュールを作成している。しかし、映像操作のない再生を想定していたため、早送りや巻き戻しといった映像操作がある場合に効率良く再生を途切れにくくする配信方式が明らかにされていなかった。そこで本項目では、映像操作があっても再生を途切れにくくするマージチェーニングの応用的な技術を確立する。 項目2)映像品質に関する戦略:映像品質に関する戦略として、本研究では再生環境適応型映像品質を用いている。再生環境適応型映像品質では、再生端末の再生環境に応じて代替映像の品質を決定している。しかし、一般的な映像を想定していたため、選択しながら再生する映像(選択型コンテンツ)があるといった様々な再生環境に適応できなかった。そこで本項目では、選択型コンテンツがあっても、再生が途切れにくい応用的な技術を確立する。 項目3)受信側の戦略:受信側の戦略として、本研究では代替映像創出技術を用いている。代替映像創出では、マージストリームで受信した映像データから代替映像を創出するように拡張している。しかし、映像操作のない一般的な映像を想定していたため、映像操作や選択型コンテンツを含めて代替映像を創出していなかった。そこで本項目では、これらを含めた代替映像を創出して放送または通信で配信する応用的な手法を確立する。
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Research Products
(19 results)