2016 Fiscal Year Annual Research Report
メゾスケール構造を有する物体表面の精確なモデリングおよび再現
Project/Area Number |
15H02727
|
Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
日浦 慎作 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (40314405)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 大輔 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (30532957)
古川 亮 広島市立大学, 情報科学研究科, 准教授 (50295838)
馬場 雅志 広島市立大学, 情報科学研究科, 講師 (30281281)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | BRDF / BTF / 反射 / 透過 / レンダリング / 形状計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度に開発したマルチバンドカメラを用いたワンショット照度差ステレオ法について,物体表面の色が変化する部分で計測精度が低下する問題があった.これに対し,輝度変化をガイド画像として用いたジョイントバイラテラルフィルタや,遮蔽輪郭の法線方位制約などを組み合わせ,色変化による歪や誤差が小さいマルチバンド・ワンショット照度差ステレオ法を開発した. メゾスケール構造を持つ物体の具体例として,肌への化粧品の塗布による見えの変化のモデリングについて研究を行った.「厚化粧」と否定的に言われるように,化粧は厚塗りにより隠蔽力が高まれば良いわけではなく,素肌の見えを適度に残しつつ見た目を好ましい方向に変化させることが望まれる.本研究では透明なフィルムに様々な厚みで口紅を塗布し,さらにフィルムの背後に置いた紙片の反射率を変えることで,口紅自身による反射光の強度と,口紅による肌の隠蔽力が厚みによってどのように増減するのかをモデリングした.またその結果に基づきメイクアップシミュレーションを行った. 微細な形状を有する物体の見え方のモデリングの一例として,層厚の調整による反射率と透過率の独立制御について研究を実施した.前面に乳白色の層,背面に黒色の層を持つ薄い物体では,主として反射率は乳白色層の厚みにより,また透過率は黒色層の厚みにより変化するが,実際にはそれらの間に相互作用が見られる(例:乳白色層が厚いほど透過率が低下するなど).そこで本研究では2つの層の厚みがそれぞれ連続的に変化するテストピースの反射率と透過率を計測し,所望の反射率と透過率を与える各層の厚みを求めた.与えられた2枚の画像の各画素値を反射率と透過率に対応させ,各層の厚みを決定することで,表から照明されたときと,夜間の看板のように裏側から照明されたときの見えが全く異なる物体を生成することが出来た.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
繰越金により導入した大容量記憶装置の導入効果もあり順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
メゾスケール構造のモデリングおよび再現においては,既存の多様な物体を対象とする研究のほか,近年,技術的な発展が著しい3Dプリンタを用いて人工的に作り込んだ,形状や構造が既知の物体を対象にした研究が可能となってきているため,このような生成的アプローチについても検討していく.
|
Research Products
(5 results)