2015 Fiscal Year Annual Research Report
人間関係の円滑化を目指した社会情動信号エフェクターの開発と心理学的評価
Project/Area Number |
15H02735
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
寺田 和憲 岐阜大学, 工学部, 准教授 (30345798)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 誠二 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 教授 (50220380)
栗原 一貴 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (10462855)
宮崎 美智子 大妻女子大学, 社会情報学部, 講師 (90526732)
高橋 英之 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30535084)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | コミュニケーション障害 / ヒューマンインタフェース / 情動 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年コミュニケーション障害や引きこもりなどの対人関係不全が社会問題化しており,その対策は急務である.対人関係不全の原因の一つは,視線や表情,対人距離,身体的同調などの,情動に影響を与える非言語情報(社会情動信号)の過多や過少である.そこで本研究では社会情動信号を情報機器によって制御することで対人関係不全の解決を目的とする.H27年度は他者の外観が情動に与える影響を明らかにするために(1)VR 空間におけるエージェントの外観が対人距離に与える影響の調査を行った(寺田).実験によってVR空間においても外観が情動に影響を与える可能性が示唆された.また雑踏中における物理的隔離が情動に与える影響を調査するために(2)Mobile Personal Spaceの開発を行いプロトタイプを完成させた(寺田).Mobile Personal Spaceは中に入った人の動きに合わせて動く物理的な殻である.殻の内側と外側はディスプレイになっている.殻の内外に備えられたカメラの映像に画像処理を加え,内外からの見え方を制御することで社会情動信号フィルタとして機能する.また,シースルー型HMDを用いた社会福祉学的アプローチに基づく"視線恐怖症的コミュ障"支援システムの開発と検証を行った(栗原).システムのプロトタイプを実装し,評価した結果,いくつかの機能は有効に働き,今後の改善点が得られた.また,エージェンシーの知覚量を人為的に制御する基礎知見を得るために,機械的なロボットに感じるエージェンシーの量とロボットの制御関数(正弦波)のパラメータ(周期)の間の関係を調査した(高橋).結果として緩やかなリズム変調がエージェンシー感覚を高めることが分かった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題においては(1)非言語情報と情動反応の因果構造の同定と(2)社会情動信号エフェクターの開発の両方が必要であるが,H27年度の成果においていずれのサブテーマにおいても進展がみられたため.
|
Strategy for Future Research Activity |
H27年度は非言語情報と情動反応の因果構造の同定において,他者の外観に注目したが情動に影響を与える要因としては視線,表情,身体同調がある.H28年度はこれらの要因に注目し,因果構造の同定を目指す.また,引き続き社会情動信号エフェクターとしてのMobile Personal Spaceの開発を進める.
|
Research Products
(13 results)