2016 Fiscal Year Annual Research Report
注視センシングに基づく透過型ディスプレイの奥行き知覚整合技術
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15H02737
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
池田 聖 立命館大学, 情報理工学部, 任期制講師 (40432596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Sandor Christian 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (80733196)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ヘッドマウントディスプレイ / 奥行き知覚整合 / 視線検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,ビデオシースルー型ないしは光学シースルー型の個人用ディスプレイであるヘッドマウントディスプレイおよびハンドヘルドディスプレイに共通する実シーンと重畳像の間の奥行き知覚に関する不整合を,主に画像処理によるソフトウェア的アプローチにより解決することである.利用者が注視する位置や奥行きに関連付けて画像を提示する注視駆動型提示による奥行き知覚整合法を開発し,利用者が意識することなく従来よりもシームレスに実シーンとCG像を視認できるディスプレイを実現する.目的達成のための具体的な研究課題として,視線検出に基づく(1)網膜像的整合法の開発,錯覚現象を利用した(2)認知的整合法の開発,を実施することが目的である. 本目的に対して設定した副課題の内,本年度は(1-2)両眼視差整合法の開発について発展させ,(2-1)両眼視差の強調法の開発に着手した. (1-2)両眼視差整合法の開発:視線検出器によりセンシングした両眼の輻輳から注視点の奥行きを算出し,その奥行きに対応した物体を強調して表示する手法を試した.研究分担者らの従来研究として物体に隠された別の物体を仮想物体で表現するAR X-ray Vison技術の知見も取り入れた. (2-2)両眼視差の強調操作法の開発:異なる奥行きにあり,異なる両眼視差が生じる対象物を同時に視認する必要があるとき,現実の視差を再現することが最良でない場合がある.本研究課題では,立体視可能なビデオシースルー型のヘッドマウントディスプレイを装着した利用者による指差しインターフェースを取り上げ,利用者が手元を注視する時は通常どおりの表示を行う手法を開発した.遠景を注視し,指差しにより対象物を選択する際には,指に生じる両眼視差による二重像を画像処理により一重像に変換することで指差し操作の効率が高まることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた方式は一通り開発に着手できたので概ね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画どおり次の課題を実施する. (2-2)両眼視差の強調操作法の開発:異なる奥行きにあり,異なる両眼視差が生じる対象物を同時に視認する必要があるとき,現実の視差を再現することが最良でない場合がある. 本研究課題では,立体視可能なビデオシースルー型のヘッドマウントディスプレイを装着した利用者による指差しインターフェースを取り上げ,利用者が手元を注視する時は通常どおりの表示を行い,遠景を注視し,指差しにより対象物を選択する際には,指に生じる両眼視差による二重像を画像処理により一重像に変換するなどして,視差を操作することで指差し操作の最適な表示法を調査する.
(3)リアルタイムシステム試作・実証実験:実際の利用シーンを考慮した上でなお有効な応用例を選択し,その応用に特化したリアルタイムシステムを試作することでより実用的なシーンや多数の被験者が参加する実証実験により有用性を示す.
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Research Products
(11 results)