2016 Fiscal Year Annual Research Report
非一様かつ大変形を伴う仮想柔軟物間の精緻な実時間視力覚インタラクション手法の研究
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15H02742
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
田川 和義 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 准教授 (40401319)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バーチャルリアリティ / 変形・接触モデル / 力覚インタラクション |
Outline of Annual Research Achievements |
まず,時空間適応的埋め込み変形シミュレーション手法の研究においては,2つの問題(1.陰解法に対応しておらず不安定,2.マルチレート法において時間刻みの異なる領域間で応力伝播の不整合性が生じる)を改善するため,陰解法として有限要素法を採用し,1) 各ステップで解くべき連立方程式の規模および係数行列が変化するマルチレート・オンラインリメッシュ法を低コストで処理するための拡張ELL形式を提案するとともに,2) 適応的四面体メッシュの階層構造を利用したマルチレート法のための応力伝播近似手法を提案した.さらに,筆者らの従来手法との比較実験より,安定性の改善および応力伝播の不整合性に起因する変位誤差の改善を確認した.本成果をAsiaHaptics2016および電気学会 知覚情報研究会にて発表した. そして,複数柔軟物間の実時間インタラクション手法の研究においては,仮想物体を仮想柔軟手でなぞる際のシミュレーションモデルの検討を行った.まずは,接触する対象物を一様な平面とし, 柔軟な指紋と剛体平面間のStick-Slip現象を考慮した接触・滑りのシミュレーションモデル(四面体2次要素を利用,クーロン摩擦を仮定)の検討・実装を行った.生成されたStick-Slip現象の周波数を評価した結果,おおよそ妥当な結果が得られていることが分かった.さらに,記録再生アプローチの利用の検討を行った.本成果をMPR2016および情報処理学会全国大会にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多重解像度接触モデルの考案・実装にて多少の遅れが見られるものの,全体的には手法の考案・実装が着実に進んでおり,また研究会や国際会議での発表も行うなど,おおむね当初の想定通りに順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
上記の応力伝播の不整合性の解決法は,単一柔軟物の変形計算の高速化のみならず,互いに接する複数柔軟物の変形計算の高速化にも応用可能と考えており,引き続き検討・実験を行っていく.
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Research Products
(13 results)