2017 Fiscal Year Annual Research Report
稀な社会的状況を構成・分析するデータ指向シミュレーション技術
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15H02745
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和泉 潔 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (10356454)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エージェント / 人工知能 / 情報システム |
Outline of Annual Research Achievements |
似研究の目的は、非常に稀で予測困難だが甚大な影響をもたらす社会的状況にも対応し、頑強で信頼性の高い社会制度や経営戦略を設計するための工学的手法を開発し、実際の社会現象に適用することである。そのために、実データを基に稀な社会事象の内部メカニズムを探るための社会シミュレーション技術である「可能世界ブラウザ」を開発する。最終的に、(1)実データに基づく社会行動ルールの推定と(2)稀な社会状況の対話型シナリオ構成、(3)社会状況の発生メカニズム・操作戦略の推定といった基盤技術を開発する。当該年度では、下記の実問題の分析結果を反映させ、想定外のリスクとチャンスを分析対象にした可能世界ブラウザの実問題応用への手法開発を行った。 金融市場制度設計:数時間から数日間までの比較的短期間の市場と数年間の長期の金融システムの不安定性という、まれに起こるリスクを予防するための市場制度設計を目的とする応用を行った。高頻度市場データを分析して、ユーザに制度や取引戦略と市場安定性の関係を提示し、制度設計で設定すべき要素を示唆するための応用技術を開発した。 マーケティング応用:数週聞から数カ月間のネットワークリスク急増という、まれに事象を引き起こすための金融マーケティング戦略を探るために可能世界ブラウザを応用する実証研究を行う。研究協力者の有するデータの分析をもとにしたエージェントベースの金融マーケティングシミュレーションを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度では、金融市場での制度設計および銀行間ネットワークのシステミックリスクの両方について、実際の社会現象における操作戦略のためのシミュレーション研究を行った。提案手法を用いた実証でどのような稀な状況が分析対象になるか、またその状況を操作するためにどのような市場制度や経営戦略などの選択肢があり得るかを、研究協力者との協力により研究成果を得ることができ、学会や学術雑誌での発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も、共同研究光との協働関係を継続し、実問題の分析結果を反映させ、想定外のリスクとチャンスを分析対象にした可能世界ブラウザの実問題応用への検証を行う。得られた研究成果は引き継ぎ国際会議やジャーナルなどで発表する予定である。
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Research Products
(35 results)