2015 Fiscal Year Annual Research Report
超複素信号処理アルゴリズムの深化と応用に関する研究
Project/Area Number |
15H02757
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 功 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (50230446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯川 正裕 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (60462743)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 信号処理 / 超複素数 / ニューラルネットワーク / 凸最適化 / 逆問題 / 代数的位相アンラップ |
Outline of Annual Research Achievements |
多次元情報の超複素数表現を活かした信号処理アルゴリズムアルゴリズムの開発競争が世界中で進んでいる。ところが、超複素数の数理には未解明な部分も多いため、効果的応用法は手探りの状況にある。本研究では、次世代信号処理の重量な基盤となることが予想される「Cayley-Dickson数(CD数)の応用価値の高い数理」を解明すると共に、強力な超複素数信号処理アルゴリズムを系統的に作り出す新しいメカニズムを構築し、世界をリードすることを目的としている。2015年度はCD数表現を実ベクトル表現に帰着した後に克服すべき、諸課題を実ヒルベルト空間で定式化することにより、応用と絡めながら広範な検討を進めた。議論の範囲が広いため、一部の成果(RIMS Kokyurokuに発表済)に絞って説明する。
近年,様々な情報表現に現れるスパース性を柔軟に活用するための信号処理技術が急速に発展し,目覚ましい効果を発揮しているが、これらの技術的課題の多くは実は「必ずしも微分可能性を仮定しない特別なクラスの凸最適化問題」として定式化されており、凸解析と不動点理論の最近の相互作用が生み出した新世代の凸最適化アルゴリズムによってはじめて解決されていることを不動点近似の立場から解明し、その背景にある数理的な仕組みを明らかにしている。さらに、「適応射影劣勾配法とオンライン学習問題への応用」、「低階数最小分散擬似不偏推定法と悪条件逆問題への応用」、「代数的位相アンラップと2次元スプライン近似」についてもその数理的な背景を明らかにしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度の当初の計画の主要課題:「(I)(等価翻訳を実現する共通原理の解明:2015.4~2016.3)「Cayley-Dickson数の体系で記述されたパラメータ推定問題」から「実数の体系で記述されたパラメータ推定問題」への等価翻訳の共通原理とCayley-Dickson数でモデル化された線形逆問題の特徴を探る」を達成するために、CD数表現に対応した実ベクトル表現を用いた信号処理に伴う課題を集中的に検討した。2015年度に発表済みの成果は、このような観点からの研究の結果に対応している。一方、「(II)(Cayley-Dickson数域のパラメータ推定のための多カーネルオンライン学習法の開発:2015.9~2016.3)マルチカーネル学習の議論をCarley-Dickson数の体系に一挙に拡張し、その性能を非線形チャネル等化問題への応用で評価する」についても検討を重ねてきている。この過程で(II)の課題にはいくつかの本質的な問題が含まれており、これを解決するには時間を要することがわかってきた。本プロジェクト全体の計画は順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの進捗状況」に述べたように、本プロジェクト全体の進捗は大変順調である。ただし、本質的な困難さを含む課題(II)を優先して進めることは、本プロジェクト全体の遅延にもつながりかねないため、ここでは、柔軟に順番を変更し、別の課題から先回りして検討を進めていく予定である。
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Research Products
(17 results)