2015 Fiscal Year Annual Research Report
感性を通して直感的に「惹かれる」物に対する行動選択思考メカニズムの脳機能的解明
Project/Area Number |
15H02765
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
首藤 文洋 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10326837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 敏正 筑波大学, 芸術系, 教授 (00261793)
内山 俊朗 筑波大学, 芸術系, 准教授 (50334058)
増田 知之 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70372828)
山田 博之 筑波大学, 芸術系, 助教 (80723361)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 感性情報学 / 神経科学 / 生理学 / 人間生活環境 / 動物 / 感性脳機能 / 感情 / 萌え |
Outline of Annual Research Achievements |
申請額に対し配分額が約64%であることを受け、本研究計画を有効に推進するための研究内容の規模縮小とそれに伴う実験計画の見直しを経て本年度の研究を遂行した。 研究目的に対して本年度は、 新規に導人した機器を使用した実験および制作の環境を予備実験的課題を通してシステム整備をしつつ、課題遂行にあたっての問題点を検証した。 具体的には、提示刺激の形状と質感が及ぼす印象評価と生理反応の相関についての基礎データ取得を、先行研究で開発した「ダイナミックアンケートシステム」を使ったマッチングタスクやテクスチャー提示による連続変化画像から最も「惹かれる」状態画像の選択課題の試行と同時に計測した生体反応計測データとの関連の検討である。 この際これまでに計測方法として使用してきた、ポリグラフ装置による自律神経活動計測・光トポグラフィー装置による大脳皮質活動解析と本年度に導入した脳波解析との併用に関する利点、および問題点について検討した。 また、本年度新規に導入したレーザー加工機によるプロダクト制作プロセスの予備的検討の中からいくつかの刺激候補となるプロダクト制作を行った。 ヒトの実験で得られた行動選択思考の脳機能に関わる感性情報に関する生物科学的意義を知るための神経活動や化学的動態など物質面からの理解を進めるべく、モデル動物実験を推進するため、「直感的」そして「惹かれる状態」のモデルを作り出し、その時に有効な生体反応計測ができるいくつかのモデル動物実験系を試行した。また、モデル動物において「直感的に惹かれる感情」を表出した動物に対する侵襲的手法による神経科学的なメカニズム解析において必要となる実験システムについての検討を行い、必要な実験系などの整備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は研究遂行に対しての予備的実験を行う年度と位置づけられ、これまでに研究遂行に必要な実験に関する方法論的検証および提示刺激となるプロダクトの制作に関する作業手順の検証を概ね完了しているとの判断から。
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Strategy for Future Research Activity |
「直感的に惹かれる感覚刺激」の実験モデルとして選択したいくつかの実験方法と提示刺激を使って、それらによって引き起こされる情動反応を計測し、実験データの取得と解析を行う。また、予備実験的なデータを含め、これまでの課題研究を通して明らかになった事実やこれからの研究の展望や制作されたプロダクトについて、 国内、国際での字会発表や原著論文を通した公表を積極的に行う。 具体的な実験計画としては、提示刺激の形状と質感が及ぼす印象評価と生理反応の相関についての基礎データ取得と、本課題における実験システムを使つたデータ解析による実験を行う。これら提示刺激の選択には、これまでの感性評価研究データおよび昨年度の予備実験結果を再解析・整理して有効に活用する。また、前記に加えて引き続きこれまでのデザイン学・感性情報学研究のデータを活用して「直感的に惹かれる感覚刺激」となるプロダクトの開発・制作を行う。 そして、ヒトの実験で得られた行動選択思考の脳機能に関わる感性情報に関する生物科学的意義を知るために神経活動や化学的動態など物質面からの理解を進めるべく、モデル動物実験を推進する。この実験では、ある物体感覚もしくは他個体に「惹かれる」状態を「本能的に惹かれる感覚」と、快情動と不快情動の連関経験で形成した「経験的に惹かれる感覚」の両面から実験的に形成させるモデル実験で、その双方について被験者実験から得られた生理指標データに基づく直感的刺激の提示により活動する神経回路を推定できるようモデル動物に神経科学的実験操作を行い、行動選択思考に関わる神経機能プロセスとその特性の検討と解析を引き続き進める。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] osumode2015
Author(s)
西村渉、内山俊朗
Organizer
つくばメディアアートフェスティバル2015
Place of Presentation
茨城県つくば美術館
Year and Date
2015-11-28 – 2015-12-06
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[Presentation] 指キタスファイター2015
Author(s)
山森明子、伊藤成臣、亀崎玲奈、佐藤愛、内山俊朗
Organizer
つくばメディアアートフェスティバル2015
Place of Presentation
茨城県つくば美術館
Year and Date
2015-11-28 – 2015-12-06
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[Presentation] BandTrain TX2015
Author(s)
小崎湧太、小関美咲、藤森晶子、内山俊朗
Organizer
つくばメディアアートフェスティバル2015
Place of Presentation
茨城県つくば美術館
Year and Date
2015-11-28 – 2015-12-06