2015 Fiscal Year Annual Research Report
聴導犬をモデルにした接触コミュニケーションロボット
Project/Area Number |
15H02768
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 剛士 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90303693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩堀 祐之 中部大学, 工学部, 教授 (60203402)
片上 大輔 東京工芸大学, 工学部, 准教授 (90345372)
加納 政芳 中京大学, 工学部, 教授 (90387621)
山田 晃嗣 情報科学芸術大学院大学, その他の研究科, 准教授 (30405138)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ヒューマンロボットインタラクション |
Outline of Annual Research Achievements |
HRI分野を含むロボット研究では,安全確保のため,ロボットから人への接触は回避することがこれまで重要な課題であった.一方,背後から肩を軽く叩く,横から脇腹を突っつくといった接触による情報伝達を,人同士では日常的かつ効果的に利用している.CGの仮想エージェントとは異なり,ロボットは人同様に物理的身体性を持つことから,接触コミュニケーションは,人とロボット間でも有効な手段になると考える.本研究では,pHRI分野への感性情報処理的アプローチとして,聴導犬をモデルとしたロボットを開発し,「ロボットから人への接触による情報伝達」の実現を目指す.本研究は,聴覚障がい者支援はもちろん,広く一般に利用可能な新しいコミュニケーション手段を提案・開発し,HRIの発展と人々の生活レベル向上に貢献する. 平成27年度には,ロボットを構成するための要素技術開発とプロトタイプ開発を行った.まず,要素技術開発の1つとして,「伝達する情報と接触方法」の調査を行った.Roombaをベースにしたロボットによる接触が,ドアノックに近いものであると仮定すると,接触方法のデザインによって,異なる印象を人に与えられる.発生したイベント(非常ベル等)と接触方法それぞれに対し人が抱く印象を明らかにするため,イベント発生とそれを伝えるロボットの振舞いの関係性を調査した.この調査結果に基づいて,プロトタイプロボットの接触方法とした.また,プロトタイプの開発として,ロボットの行動モデルを構築した.このモデルは,「人発見」「人追跡」「接触行動」をセンサ情報から切り替える状態遷移モデルとして構築され,簡易な実験環境において,実際に動作することを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度までに実施する予定であった研究項目は,A.接触コミュニケーションロボットの設計,B.伝達する情報と接触方法の設計・開発,C.人発見・人追跡アルゴリズムの開発と実装,D.SLAM及び経路探索アルゴリズムの開発である.A,Bについては順調に進んでいるが,C,Dについて既存の手法を取り入れて試作した程度であり,開発するロボットにたいして最適化する必要がある.この点において,やや開発に遅れがある.
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Strategy for Future Research Activity |
今度は,試作したプロトタイプロボットにたいし,要素技術を実装し,実利用環境に近い実験環境を設定して実験を繰り返す.要素技術については,現状不十分な点があるため,その開発を急ぐとともに,実験環境での試験結果を要素技術開発にフィードバックし改良を進める.
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Research Products
(11 results)