2015 Fiscal Year Annual Research Report
テキストマイニングによる医療プロセスのキーファクター抽出
Project/Area Number |
15H02778
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
廣川 佐千男 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 教授 (40126785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中藤 哲也 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 助教 (20253502)
中島 直樹 九州大学, 大学病院, 教授 (60325529)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | クリニカルパス / 機械学習 / SVM / 属性選択 / 可視化 / 文脈 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の長期的な目標は、クリニカルパスに現れる重要要因の発見である。例えば、標準期間より長期入院となる患者を、より早い時点での識別できれば、患者にとっても病院にとっても望ましい。本研究では、医療活動を規定するクリニカルパスの記録に機械学習を適用することで、そのような重要要因の発見と発見した要因の妥当性確認の支援を目指す。平成27年度には、九大病院股関節置換術のクリニカルパスを対象とし、術後長期在院要因を抽出し、高い精度で推定できることが確認できた(雑誌IJCISに発表)。また、通常の形態素解析だけでなく、医学用語辞書を利用することで、解釈しやすくする改善を行った。抽出した要因の妥当性を確認するため、二つの研究を行った。一つ目は、重要要因の関連を把握するための可視化システムで、二つ目は重要語が使われる文脈の可視化である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一つ目の重要要因の関連については、結果を国際会議MEDINFO2015,KES2015で発表した。医療関係者による評価インタビューで指摘された、分り易さへの対応が、H27年内には終了できなくて、繰り越さなければならなかった。これが、二つ目の研究に関するものである。その結果、数値や記号からなるクリニカルパス・データだけでなく、自由記述の記録も対象とするよう拡張できた。具体的には、済生会熊本病院における2004 年4月から2016 年8月までの123736 件の疼痛バリアンス記録の全データを対象として、頻度の高い5つの手術と、頻度の高い5つパスに対して、特徴語と連続する2つの単語(2-gram)の重要語を抽出した。これらをつなぐ有向グラフと構築することで、結果の解釈が容易となるシステムを作った。この結果は、記録のテンプレート化に利用するH29年度の予定につながった。システムについては、国際会議CSCI2016,ICCTD2017で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で、クリニカルパスにおけるバリアンスの要因抽出ができ、ある程度の識別性能が得られることを確認できた。他の症例やバリアンスについて適用し、性能評価と改善を行う必要がある。 得られる要因、とくに、テキスト情報に含まれる重要語の妥当性解釈については、関連語可視化、文脈可視化の二つの手法の妥当性を他の多くの事例について評価を進め、改良を続ける予定である。
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