2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H02882
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
三浦 雅展 龍谷大学, 理工学部, 講師 (80368034)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 希子 松江工業高等専門学校, 情報工学科, 講師 (80607896)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 音響音響信号 / 音響心理 / 脳神経科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
音響アフォーダンス理論の成立に向けた取り組みとして,音響信号を聴取時の脳活動の記録手段の確立とその実証を行なった.具体的には以下の通りである. 1)サイン音のポジティブ/ネガティブを調査するために,調性音楽における三和音を用いた.具体的にはメジャー和音とマイナー和音とした.また構成音による影響を排除するために,メジャー和音からの調律ずれを持たせた和音を用いた.それらを継時的に被験者に聴取させ,事象関連電位を記録した.その後,MMN(MissMatch Negativity)成分を同定し,そのパワーを調べることとした.その結果,音楽経験者と音楽未経験者による聴取状況の違いを記録することができたが,実験刺激と被験者数の確保が課題となった. 2)音楽に対する感情的評価として,Valence軸と Activity軸から成る感情二次元モデルを用いた実験を行なった.特に音楽の感情が変化する楽曲を用いて,音楽刺激の聴取時の感情変化をタブレットPC上のマーカー位置によって記録した.また,同時に心拍信号の記録を行なった.相関分析の結果,同一被験者による同一楽曲に対する心拍変動の場合,高い相関が確認された.今後は,音楽刺激のヴァリエーションに対する可能性について検討する必要がある. 3)ピアノ演奏の時間波形に対するeigenperformanceから,その演奏の特徴を捉えることができることを示した.この結果から,今後は脳波波形に対して算出し,その特徴を捉える可能性を見出した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目で課題となっていた生理指標に基づいた人間の行動評価ができるようになった.特に脳波から得られる事象関連電位,心拍信号からの感情推定について検討できた.また,記録された波形の固有ベクトルで構成されるeigenperformanceを用いた分析の基礎ができた.
|
Strategy for Future Research Activity |
サイン音の聴取時における気づきやすさの定量評価を行なう.音響波形に対する波形処理だけでなく,人間の評価を行動実験と生理実験を併用して実施する.ここで,記録された生理信号に対して,アイゲンパフォーマンスを得ることにより,特徴解析を試みる予定である.
|
Research Products
(3 results)