2015 Fiscal Year Annual Research Report
乳児型発汗サーマルマネキンの開発へ向けて 不感蒸散および発汗の同時再現装置の構築
Project/Area Number |
15H02889
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
深沢 太香子 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (90423574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栃原 裕 九州大学, 芸術工学研究院, 名誉教授 (50095907)
芝崎 学 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (00314526)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 乳児 / 安全性 / 体温調節 / 温熱環境 / サーマルマネキン / 蒸散 / 発汗 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳児の熱中症や乳幼児突然死症候群を防ぐために,乳児にとって,安全で快適な温熱環境を維持することは重要である.しかしながら,成人と異なる体温調節機能を持つ乳児を対象とした温熱環境評価規準の整備が欧米,特に,北欧と比較して遅れている.これは,被験者となることが倫理的に困難な乳児の代替となる乳児型の発汗サーマルマネキンが開発されていないことが一理由としてあげられる.そこで,乳児の形状や熱産生や発汗を模擬した発汗サーマルマネキンを将来的に開発することを目標として,まず,本研究では,発汗サーマルマネキン作成時の構造的基盤となる,乳児人体からの不感蒸散と温熱性発汗を再現するモデル装置を構築・開発する. 研究初年度においては,第一段階として,角質層と同等の保水力を有し,皮膚表面での濡れ広がりを再現するための,特殊金属板の製作に着手した.材料はステンレスを主たる材料として,板厚の異なる多孔質を有する板4種類(0.5 mm, 1.0 mm, 1.5 mm, 2.0 mm)である.これらの特殊金属板4種類の性能評価実験を行ったところ,保水力の目安となる吸水性が想定外の値を示すとともに濡れ広がりの再現性が低かったため,改良・改善を要することが判明した.そこで,これら金属板の改良・改善を重ねるとともに,その性能評価実験を再度行った.その結果,安定した高い吸水性(0.5 mm:48 %, 1.0 mm:46 %, 1.5 mm:46 %, 2.0 mm:35 %)とムラの少ない濡れ広がりを示したことから,開発しようとする発汗システム内の設置に適した性能を持つことを確認することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特殊金属板の作製およびその性能評価実験を重ねた結果,開発しようとする装置内の設置に適切であることを確認することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
研究初年度において作製した特殊金属板を用いて,液相発汗を再現するシステムを構築する.そして,制御性および発汗量とその蒸発量の再現性について検証を行う.
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Research Products
(20 results)