2015 Fiscal Year Annual Research Report
見守り支援ロボットを組み込んだ独居高齢者の自立生活を支える住空間
Project/Area Number |
15H02890
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三田 彰 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60327674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 朗子 東京電機大学, 未来科学部, 准教授 (80286632)
高橋 正樹 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (10398638)
中澤 和夫 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (80217695)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ロボット / 見守り / 高齢者 / 独居 / 歩行 |
Outline of Annual Research Achievements |
1、関連研究の調査:ロボットを使った人追従手法、情報把握手法、制御手法等、本研究の推進に必要な要素技術の最先端情報についての調査を行った。また老人福祉関係者および医療関係者に対してのヒヤリングを実施した。 2、ロボットの設計・製作: 高齢者の通常歩行に十分追随可能な移動速度を持ち、追随しながら歩行情報等を取得可能なロボットを製作した。また、ロボットの外観や反応方法を工夫して、親しみやすさを増すための研究を行った。 3、身体情報取得手法:ロボットによる歩行情報取得手法のアルゴリズムについて検討し、予備試験を行った上で、中伊豆リハビリセンターにおいて実験を行い、中伊豆リハビリセンターの運動検査室に設置してある精密なモーションキャプチャシステムであるVICONでも同時に計測を行って比較可能なデータを取得した。最初の実験であるため、被験者は高齢者ではなく学生とした。 4、行動情報取得手法:高齢者の運動機能把握に重要な階段歩行等の行動情報取得アルゴリズムに関する基礎的な検討を行った。 5、環境情報取得手法:温度や湿度等を観測可能なセンサモジュールを搭載した基板を製作して、動作確認を行った。若干追加でプログラムを作成する必要があるが、ロボットに搭載して利用可能であることを確認した。 6、住空間計画手法:見守り支援ロボットが住空間の一部として組み込まれることを目指した住空間計画手法についての準備研究を行った。ロボットが住宅内でどのように動くことが望ましいか、また種々の情報を取得しやすいシナリオはどうか、等の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に大きな障害はなく順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
1、関連研究の調査:高齢者の身体能力と生活の質との関連に重点を置いて関連研究の調査を行う。 2、ロボットの設計・製作:平成27年度版のロボットに対する評価に基づいて、進化版のロボットを設計・製作する。 3、身体情報、行動情報、環境情報の取得手法:年度末までに研究開発を行った情報獲得手法の分類と得失について取りまとめ、残りの期間で重点を置く手法を決める。身体情報取得手法の研究を先行して進めて、使える段階になったものはデイケアセンターなどでの計測に活用する。行動情報、環境情報については平成28年度から本格研究フェーズとして、中心的な研究項目として取り組む。 4、住空間計画手法:見守り支援ロボットがいる住空間の計画手法について研究する。ロボットが共生するためにこれまでの計画手法をどう進化させるべきか、また、建築計画の側面からロボットに要求される事項はなにかについて検討する。特に高齢居住者にとってロボットが負担にならないような距離感や動作、そしてロボットの行動範囲についての検討を進める。 5、見守り支援ロボットが獲得した情報は活用されてこそ意味がある。そこで取得した情報に基づき、どのような診断をして、結果をどう活かすかの研究を行う。筋力が衰えて歩行に支障が出る前にリハビリプログラムへの参加を本人に促す、熱中症になる前に空調制御を自動的に行うなどが考えられる。また、見守り機能ももっとも重要なものの一つであり、緊急事態に陥った場合に誰に、どのタイミングでどうやって連絡するかの研究が必要となる。過度な介入にならず、高齢者自身が必要とする機能とはなにかについての検討も行う。 6、実験住空間の設計・製作:見守り支援ロボットと共生して、自立した生活が可能となるように支援する研究成果を統合し、全体としてきちんと機能するものとなるかどうかの検証実験を行うための住空間を設計する。
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Remarks |
ロボットのいる建築に関する研究の概要紹介
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Research Products
(18 results)