2015 Fiscal Year Annual Research Report
酸化・炎症・脂質代謝のクロストークを標的としたポリフェノールの動脈硬化制御機構
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15H02895
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
近藤 和雄 東洋大学, 食環境科学部, 教授 (30153711)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 薫子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (50375458)
岸本 良美 お茶の水女子大学, お茶大アカデミック・プロダクション, 寄附研究部門准教授 (70600477)
鈴木 恵美子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (80154524)
谷 真理子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附研究部門准教授 (90452028)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 炎症 / 脂質代謝 / ポリフェノール / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
食生活の乱れにより、生体内では『酸化ストレス』、『炎症』、『脂質代謝異常』が引き起こされ、動脈硬化進展が促進する。この酸化・炎症・脂質代謝のクロストークにNrf2、AMPKを介した調節機構が存在する可能性を見出し、抗動脈硬化作用のターゲットとして有用であると考え、本研究では、食品に含まれる抗酸化成分であるポリフェノールについて、Nrf2、AMPKを活性化させる成分を探索し、培養細胞(血管内皮細胞、単球、マクロファージ、肝細胞)ならびに高脂肪食負荷マウスにおいて、酸化・炎症・脂質代謝の観点から動脈硬化制御機構を解明することを目的とした。 今年度は、まず食材に含まれるポリフェノール濃度の測定を実施した。また、培養細胞系において、血管内皮細胞、肝細胞、マクロファージ細胞、筋管細胞、脂肪細胞を用いて、酸化ストレス、炎症、脂質代謝異常の観点から、ポリフェノール類による改善作用を検討した。その結果、アントシアニン類やスチルベン類を含む食品抽出物において、血管内皮細胞における抗酸化酵素発現の誘導や、接着分子発現の抑制といった改善効果が認められた。また、フェノール酸類を含む食品抽出物をマクロファージ細胞に作用させたところ、LPS誘導性の炎症反応を顕著に抑制することが明らかとなった。この作用には、Nrf2、AMPKの関与が示唆されており、現在阻害剤やノックダウンによる影響を検討している。また、筋管細胞や脂肪細胞において、イソフラボン類が抗炎症作用をはじめとする機能改善効果を発揮することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Nrf2、AMPKを活性化するポリフェノールについて広範囲のスクリーニングは実施できていないが、検討した食品成分の中に期待した効果を発揮しうるものが見つかり、作用メカニズムについても検討を進められた。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り、今年度の検討で選定したポリフェノールについて、LPSや飽和脂肪酸、グルコースの刺激下の細胞におけるNrf2、AMPKを介したポリフェノールの動脈硬化制御機構の解明を目指す。 また、高脂肪食負荷マウスを用いて、ポリフェノールの効果について検討を行う。
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Research Products
(18 results)