2016 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of a database of pregnant Japanese women, containing nutritional status, medical, and epigenome information, for nutrition education from early pregnancy period
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15H02901
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
永井 成美 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (60364098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 栄養学 / 妊娠期栄養 / 遺伝子 / エピゲノム / 食育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は妊婦を対象に、妊娠前~妊娠中の体格と栄養状態、生活習慣、妊娠経過(胎児発育)、出生アウトカム、臍帯血をDNAサンプルとする胎児エピゲノム情報を内容とするデータベースを構築し、妊婦の栄養状態が、①妊娠経過や胎児発育に及ぼす影響、②胎児側の生活習慣関連遺伝子のエピゲノムに及ぼす影響、について明らかにすることを目的としている。 初(H27)年度には、まず、国立病院機構京都医療センターの産科婦人科より研究協力の承諾を得たのちに、同センター倫理委員会の審査と承認を受け、Uminへの臨床試験登録(UMIN000017665)を行った。次に、①質問紙、食事調査法、データベース入力項目を決定し調査パッケージを準備、②文献レビューを行い、栄養状態を反映する血中バイオマーカーを決定したうえで、③外来での食事等の調査を開始した。④データベースのフレームを構築し、妊娠経過、検査データ、栄養データ等の入力(120名分)を行い、さらに、⑤エピゲノム解析の測定系の立ち上げおよび探索的に一部の検体の測定を行った(30名分)。 2年目(H28年度)には、参加者のリクルートと調査を継続し、研究参加への同意者500名を達成し、BDHQ(食事調査)550回、生活習慣調査430名、臍帯血サンプル350名分、健診時血液サンプル約500名分を得た。現在、データベースは400名分に達し、残り約100名は調査中および出産待ちの状況となっている。以上より、3年間の研究期間内に当初目標の500名分のデータベース構築達成が十分に可能な状況となった。今後は、臍帯血DNAを用いたエピゲノムの網羅的解析を行い、より有力なメチル化部位を特定するとともに、関連のデータとの解析を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1. 研究参加への同意取得や調査が順調に進んでいるため、3年間の研究機関内に500人の妊婦のデータベースを構築できる見込みとなった。当初の計画よりも半年早いペースで進んでいる。このデータベースは、助産録やカルテ情報、栄養・生活習慣、DNA情報も含む貴重なものであり、今後、多くの知見が得られることが期待される。 2. 生活習慣病関連遺伝子のDNAメチレーションの有力な部位の特定を進めている。初年度は30検体のDNAメチレーション解析を行ったが再現性に疑問が残ったため、2年目に検査方法や検体選定の見直しを行った。2年目後半には、よりSpecificな検体を選定し、DNA全領域の網羅的解析を行い有力なメチル化部位の特定を探索的に行った。3年目も解析を継続し、新知見が得られ次第、公表する予定である。 3. データベースを用いた中間解析を行い、①妊娠前の体格・体型認識と妊娠中体重増加量、児の出生体重との関連について学会発表、論文投稿を行った。また、②妊婦の社会経済的要因と妊娠中の栄養、出産アウトカム、③特定遺伝子のメチレーションに関する予備的な検討結果等に関しても、論文の執筆を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度(平成29年度)には、 ①500名分のデータベース構築の達成(残り100名の出産を待って完成させる) ②DNAメチレーション解析と有力な部位の特定 ③母親の血液サンプルから得た栄養マーカーのデータベースへの追加、を上半期に行い、下半期には、本データベースを用いた解析を順次進め、公表(論文執筆と投稿)を加速する。 膨大な情報量のデータベースとなるため、3年間の研究終了後にも本データベースを活用した発展的・実践的研究を継続し、最終ゴールである「胎児期から始める食育(次世代の生活習慣病を予防する最新の予防栄養学」の進展に貢献する。
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Research Products
(9 results)