2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of functional food based on the improvement of mitochondrial dysfunction to prevent lifestyle related diseases
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15H02902
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
永井 竜児 東海大学, 農学部, 教授 (20315295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 則行 福岡大学, 医学部, 教授 (20134273)
松村 剛 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (20398192)
小野 政輝 東海大学, 農学部, 教授 (60177269)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 生活習慣病 / 翻訳後修飾 / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究により脂肪細胞が高血糖状態に曝されると、TCAサイクルの中間体であるフマル酸の細胞内濃度が上昇し、フマル酸が蛋白と反応してS-(2-succinyl)cysteine (2SC)が生成すること、さらに本反応によってアディポネクチンをはじめ様々な細胞内蛋白の機能が低下する新規な翻訳後修飾経路であることを見いだしてきた。
2016年度は4月に起きた熊本地震により研究施設が完全閉鎖となり研究中断が余儀なくされたため、改めてサンプルの収集・調製に続き研究結果の再現性確認から始めることとなった。 ○2SC生成阻害化合物の効果検証において、前年度に得られた結果を元に、効果のあった天然物に、さらに数種の天然物を加え、粗抽出物をオープンカラムにかけ、おおまかな分離を行った。3T3-L1細胞を脂肪細胞に分化させ、得られた粗抽出物、分画物、約20種を添加して培養を継続した。この脂肪細胞内2SC含量を測定するにあたり細胞回収後はODSカラムであるSepPakを用いて夾雑物を低減するなど質量分析装置(TSQ Quantiva, Thermo Fisher)でのイオンサプレッションを考慮した前処理を行い、2SC生成阻害効果の有効性を分析中である。現在までは前処理条件の検討により安定した測定結果が得られている。 〇生活習慣病と2SCの関連検証においては、本学および共同研究機関の倫理委員会で承認を得た後、主に生活習慣病関連疾患をもつヒト患者血清を得た。そして、これまでに確立した方法により前処理を行い13C標識された内部標準を用いた質量分析装置による測定を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
・熊本地震による被害が大きく復旧に時間がかかったため全体的に研究が遅れることとなった。 ・2SC結合蛋白の同定については2SC化BSAを調製し、アフィニティーカラムを作製して精製予定であった。しかし精製過程でカラムによる吸着画分が得られていないため、2SC結合蛋白の同定に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中である阻害化合物の検証については分析を進め、候補物質の中から脂肪細胞内での2SC生成抑制効果の見られる天然物を見出す。 また、ヒト患者血清中の2SC含量については、測定・分析が進行中であるため、これについても引き続き全ての血清サンプルの処理を進め病態と2SCとの関連について検証を行う。マウス血清においても同様に測定を行う。
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Research Products
(4 results)