2016 Fiscal Year Annual Research Report
協働学習支援ツールによる活用型授業とブレンディッドラーニングによる教員研修の開発
Project/Area Number |
15H02919
|
Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
藤本 義博 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 学力調査官 (60173473)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益田 裕充 群馬大学, 教育学部, 教授 (30511505)
鈴木 康浩 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 学力調査官 (50734464)
荒尾 真一 岡山大学, 教師教育開発センター, 特任教授 (60748961)
稲田 佳彦 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (80273572)
宮地 功 富山高等専門学校, その他部局等, 特命フェロー(教育・研究支援) (30043722)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 協働学習 / 協働学習支援システム / 授業改善 / 理科授業 / 教員研修 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、「協働学習支援ツール」を実装した協働学習支援システムの改善を行った。具体的には、グループに1台のタブレット端末の環境での協働学習では、平成27年度に使用した「eトーキーGL50 for School」(岡山大学インキュベータ株式会社トーキーシステム)を継続して活用した。一方、生徒一人に1台のタブレット端末の環境での協働学習では、生徒のメタ認知を促進するために「ロイロノートスクール」(株式会社LoiLo)を選定し教育活用を設計した。教員研修の際に利用するeラーニングシステムとしては、「テックキャンバス」(NTTラーニングシステム株式会社)を選定し教員研修を設計した。 また、知識・技能を活用して構想、分析・解釈、検討・改善等の能力の育成を目的とした協働学習の授業デザインについては、岡山大学教育学部附属中学校、倉敷市立福田中学校、倉敷市立豊洲小学校、石垣市立石垣中学校、石垣市立名蔵中学校、石垣市立富野中学校、深谷市立岡部中学校、大仙市立中仙中学校、那須町立那須中学校を研究協力校として実証授業を実施した。それぞれの学校で、開発した授業デザインに基づいた模範授業を公開し、生徒の事前事後の意識調査と「活用」に関する問題の正答率を調査して評価を行い、論文投稿を行った。また、平成27年度に開発したブレンディッドラーニングを取り入れた教員研修プログラムの試行については、沖縄県八重山教育事務所を研究指定して、平成28年5月12日、11月17日、平成29年3月16日に集合研修を、また平成28年12月から平成29年3月にかけて「テックキャンバス」を活用してeラーニングを行った。これらの教員研修については事前事後の意識調査を行い論文投稿の準備を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
知識・技能を適用したり、構想、分析・解釈、検討・改善したりする等の活用に関する能力の育成を目的とした協働学習の授業デザイン開発における研究協力校は、平成28年度当初は8校程度を予定していた。各都道府県の教員研修等で指導する中で、本研究に積極的に協力を申し出た学校が16校になり、当初の計画以上に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年12月21日の中央教育審議会の答申(中教審第197号)と、平成28年3月に全国の小中学校に配布された「全国学力・学習状況調査の結果を踏まえた理科の学習指導の改善・充実に関する指導事例集」(文部科学省国立教育政策研究所)に示された授業改善の視点を取り入れて授業デザインの再設計を行い、それに合わせた協働学習支援システムの修正を行う。具体的には、この答申(中教審第197号)を踏まえ、「主体的な学び」は、学ぶことへの興味・関心・意欲と、自己のキャリア形成の観点から「理科の勉強は生活に役立つ」といった理科を学ぶことの有用性の意識を高める授業改善デザインを検討する。また、「対話的な学び」については協働場面における個別の考えを持った上で検討して改善することを大切にした授業デザインを、「深い学び」は知識を相互に関連付けてより深く理解している程度や学びに向かう意識を高める授業デザインを検討して実証する。 並行して、ブレンディッドラーニングを取り入れた教員研修プログラムの研修成果を分析して論文投稿する。また、教員研修の実施は、平成28年度に行った沖縄県教育委員会での継続と、新たに愛知県教育委員会に研究協力要請を行って進め、研修参加の教師に対して事前事後の意識調査を実施し、経験年数別等に分類して研修効果を検証する。
|
Research Products
(21 results)