2015 Fiscal Year Annual Research Report
認知状態の脳活動分析を利用したスキル学習支援システムの研究
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15H02930
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
瀧 寛和 和歌山大学, 学内共同利用施設等, 学長 (10304180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 憲幸 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (40294128)
曽我 真人 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (60252839)
三浦 浩一 和歌山大学, システム工学部, 助教 (70362861)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教授学習支援システム / スキルサイエンス / 脳計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来のスキル学習支援では、感覚提示が主に拡張現実感を利用したスキル学習支援システムが作成されていた。しかし、実際のものに触れるのと、仮想的なものに触れるのでは、感覚に対する脳の反応が違うことを我々は見出した。 そのため、実感覚と仮想現実(含む、疑似力覚)の知覚における脳活動の差異とそのモデル化を行う。このモデルにより、適切な感覚提示のできるスキル学習支援のための感覚提示方式を開発する。 交付申請書の研究実施計画 (1) 力覚や姿勢感覚等の知覚による脳活動モデルの構築(H27 年度) 当初予定の力覚に加え、動作姿勢や対象物の想起状態の脳活動のモデルを構築することとした。力覚には、疑似力などの知覚による力覚の錯覚が起きることから、力覚フィードバック装置での脳活動の測定前に、知覚認知状態を脳活動を脳波計測装置(BIOSEMI 既存設備)、脳血流計測装置(NIRS WOT-100 既存設備)により測定・分析する必要性があることが分かった。 脳血流解析は、開発済の脳波周波数分布パターン識別技術を利用して、知覚状態と知覚していないイメージ想起状態での脳状態を精密に分類することをまず実施した。被験者の脳活動を計測し、脳血流解析(反応量、反応分布、反応時間)を計測し、知覚状態と知覚していないイメージ想起状態に対する被験者の認知状態を脳活動から評価する方式を開発した。力覚フィードバック装置と仮想現実表現を連動させることにおいて、脳血流計測装置がヘッドマウントディスプレーの光に反応し、ノイズを拾うことから、視線追跡装置を利用した実験に変更することとした。それにより、本年度は、脳血流計測装置での実験に重点を置いた。また、力覚フィードバックの実験環境として、物を振ったときの力覚の反応を測定するために、ゴルフスイングの仮想現実表現のシステムも開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
力覚測定において、視覚と身体動作に差異があると疑似力覚が発生するため、研究の順序として、「一般力覚」=>「疑似力覚」での実験を計画していたが、視覚効果とイメージ想起の違いの測定が、「一般力覚」測定に合わせて実験することが必要であると分かったため、計画に知覚状態の脳活動分析を追加した。 また、脳血流計測装置がヘッドマウントディスプレーの光に反応し、ノイズを拾うことで計測精度が落ちることが分かったため、ヘッドマウントディスプレーを視線追跡装置に変更して、実験を実施中である。 脳血流計測装置と連動できる視線追跡装置の購入により、精度の良い力覚フィードバック装置の購入ができなかったため、今年度は、既存設備を利用した。
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Strategy for Future Research Activity |
力覚と視覚の総合的な知覚測定を行うことで脳活動モデルの精密化を図る。平成28年度は、疑似力覚と一般の力覚の差異から発生する力覚の脳活動モデルの構築について、視覚効果に関する実験として、ディスプレー表示と実際の物体(人の動作や姿勢を含む)の脳活動を組み込んだモデル構築を実施する。スポーツ学習を実験対象とするスキル学習システムに脳計測を組み込む。個人の感覚に適合できる力覚提示モデルの構築を試みる。
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Research Products
(5 results)