2016 Fiscal Year Annual Research Report
プレゼンテーションを教材とするメタ学習フレームワークの開発
Project/Area Number |
15H02934
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
瀬田 和久 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 教授 (50304051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 満 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (80212786)
小尻 智子 関西大学, システム理工学部, 准教授 (40362298)
田中 孝治 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (60583672)
林 佑樹 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 助教 (40633524)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | メタ学習 / プレゼンテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
プレゼンテーションを教材としたメタ学習の新しい学習支援アプローチの開発を目的として,以下の2点に取り組んだ. 1.行間読み取り姿勢の診断方式:学習済みで理解したつもりの内容を自分と同等他者に理解させるプレゼン課題において,(1)プレゼン設計活動と,(2)学びのあり方を学ぶ他者との協調学習プロセスを設定している.学習態度の変容を促す知的フィードバック機能の開発にあたり,学習姿勢を捉える学習者モデルを構築する必要がある.特に,教科書に陽に書かれた内容を暗記するのではなく,「この新しい技術が提案されたことで,どのような波及効果が起こっただろうか?」「同様の目的を有する既存技術と本質的な違いは何か?」といった行間を読み取る潜在的思考が重要となる.これは思考の拡がり・深まりを促し,専門知の習得と創造的思考の礎となり,高度な専門知を習得する上で必須であるが,自己内対話として潜在的になされるがゆえ,その能力育成に直接めがける教育は一般になされておらず容易でもない.こうした人間の内面で潜在的に営まれる自己内対話活動に,計算機システムが介入す仕組みを開発する必要がある.後述するセマンティクスが付与されたプレゼン教材と,学習者が表明したプレゼン意図に基づいて,プレゼンテーションに陽に記述されていない潜在的内容を学習者がどの程度重要視しているかを判断する仕組みを設計した.
2.行間読み取り姿勢を捉える教材の開発・診断機構の実装:教科書に陽に記載されない上述のような学習活動もプレゼン意図を表す活動概念としてオントロジー化し,学習者はそれを用いてプレゼン構造を表明できる環境を実現した.そして,意味データとして付与したスライドを組み入れ,学習者がデザインしたプレゼンテーションから行間読み取り姿勢を診断する基本的機能を実装した.これにより,学習姿勢を捉えたフィードバック機構を実現するための素地が備えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学習姿勢診断手法の設計と開発が当省計画通りに進んでいる.新しいメタ思考力育成の知的メカニズムを実現し,学習者の理解態度変容へつなげる新しい支援方法の実現基盤が構築できたため上記の区分とした.
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Strategy for Future Research Activity |
行間読み取り姿勢を捉える新しい診断手法を活用したフィードバック内容の設計・開発,およびそれを活用した教育プログラムの有用性評価と熟達モデルの洗練へと進みたい.
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Research Products
(13 results)