• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2016 Fiscal Year Annual Research Report

微化石の分子科学的情報を活用した人類紀の新しい古環境解析

Research Project

Project/Area Number 15H02960
Research InstitutionNara Women's University

Principal Investigator

高田 将志  奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (60273827)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 浅田 晴久  奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (20713051)
佐伯 和彦  奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (40201511)
前迫 ゆり  大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (90208546)
Project Period (FY) 2015-04-01 – 2019-03-31
Keywords植物珪酸体 / 微化石 / 同位体比 / DNA / 古環境 / 火山灰土 / 有機物
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、これまでほとんど用いられてこなかった微化石の分子科学的情報を活用して、どのような古環境復元が可能かについて、第四紀の日本列島を対象として、具体的に明らかにすることを目指している。この過程では、内陸域に分布する火山灰土中に含まれる植物珪酸体の酸素同位体比分析を一つの柱におき、これに、花粉や有機物のDNA解析・系統解析をもう一方の柱として検討を進めたいと考えている。前者については、古環境解析用の試料採取などの段階から研究が開始できるが、後者については、現生植物の系統解析など基本的な分析検討から始める必要があり、いずれの視点からの解析についても、日本はもちろん、世界的にみてもまだ十分手のつけられていない研究分野であると捉えている。
上記の目的に照らし、昨年度は、火山灰土から植物珪酸体を抽出・濃集する方法について検討し、現生植生を対象とした植物珪酸体の酸素同位体比データを収集するための基本的な調査も継続した。前者については、重液などを用いた各種の分離抽出を試行錯誤的に組み合わせ、何とかルーチン的に抽出できる段階まで近づいたと考えている。これと併せて、現生植生の植物珪酸体に関する酸素同位体比の基礎データを蓄積するための基本的な調査を継続し、一部、分析用の試料を採取した。
花粉や有機物のDNA解析・系統解析については、既存研究の洗い出しと問題点・課題を整理し、泥炭層に含まれる花粉化石の抽出・濃集方法に関して具体的な検討を進めた。そして、必要な分析実験機器類の調達を行い、研究代表者研究室所蔵の各種試料からDNA解析・系統解析に適すると思われる試料のピックアップと花粉化石の抽出を試験的に実施した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

思った以上に、DNA解析用の花粉化石の抽出に、技術的な困難さがあることがわかってきた。密度勾配を利用した花粉化石の濃集方法や一粒毎の花粉粒子ピックアップに工夫が必要で、実験器具類も、特殊なものを用意する必要があることが分かってきた。これらの対策に少々時間を要したため、上記のような評価とした。

Strategy for Future Research Activity

本年度は、昨年度の検討を踏まえ、火山灰土から植物珪酸体を抽出・濃集し、ルーチン的な分析を進めたいと考えている。昨年度、連続的な古環境解析に適した火山灰土試料の採取を行ったので、まずはこの試料の分析から進めることを予定している。また、他地域での新たな火山灰土試料のの採取についても、検討したい。合わせて、現生植生のサンプリングも継続して進め、より多くの現生植生の植物珪酸体に関する酸素同位体比の基礎データの蓄積にも継続して努めたい。
花粉や有機物のDNA解析・系統解析については、より具体的な試料を対象とした解析にまで踏み込んだ解析を継続してすすめたいと考えている。対象とする試料は、初年度に研究代表者研究室所蔵の各種試料から、DNA解析・系統解析に適すると思われる試料の整理を行った尾瀬ヶ原湿原の試料を用いる。まずはそれらの試料を対象とするとともに、奈良盆地の遺跡発掘現場などから採取した試料なども検討材料に加えたいと考えている。また、併せて、奈良盆地とその周辺域の社寺林などを中心に、現生植生のDNA解析・系統解析に資する基礎データの収集にも継続して努めたいと考えている。

  • Research Products

    (5 results)

All 2017 2016

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Book (2 results)

  • [Journal Article] Electron Spin Resonance Signals of Quartz in Present-day River Bed Sediments and Possible Source Rocks in the Kizu River Basin, Western Japan2016

    • Author(s)
      Aiko SHIMADA, Masashi TAKADA and Shin TOYODA
    • Journal Title

      Geochronometria

      Volume: 43 Pages: 155-161

    • DOI

      10.1515/geochr-2015-0039

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] 時空間を俯瞰する自然地理学2016

    • Author(s)
      高田将志
    • Journal Title

      科学

      Volume: 86 Pages: 995-997

  • [Presentation] 人類紀のESR/TL/OSL年代測定ーその現状と課題2016

    • Author(s)
      高田将志
    • Organizer
      日本学術振興会マイクロビームアナリシス第141委員会 第166回研究会
    • Place of Presentation
      奈良女子大学
    • Year and Date
      2016-12-05
    • Invited
  • [Book] 第4章第1節 堆積層の光ルミネッセンス(OSL) ―特にpost-IR IRSL年代―。奈良県立橿原考古学研究所 調査報告第122冊 『名勝 奈良公園・興福寺跡 ―興福寺子院観禅院跡の調査―』所収2017

    • Author(s)
      高田将志
    • Total Pages
      152 (121-123)
    • Publisher
      奈良県立橿原考古学研究所
  • [Book] 第4章第1節 堆積層の光ルミネッセンス年代。奈良県文化財調査報告書 第172集 『藤原京右京十一条三坊・四坊 ―県道橿原神宮東口停車場飛鳥線建設事業に伴う発掘調査報告書V―』所収2017

    • Author(s)
      高田将志
    • Total Pages
      120 (87-89)
    • Publisher
      奈良県立橿原考古学研究所

URL: 

Published: 2018-01-16  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi