2017 Fiscal Year Annual Research Report
Multi-dimensionalities of negibhourhood heath inequalities and their dyanmics
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15H02964
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
中谷 友樹 立命館大学, 文学部, 教授 (20298722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 茂 東京医科大学, 医学部, 助教 (00349466)
松田 亮三 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (20260812)
田淵 貴大 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), がん対策センター疫学統計部, 副部長 (20611809)
米島 万有子 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (20733281)
矢野 桂司 立命館大学, 文学部, 教授 (30210305)
埴淵 知哉 中京大学, 国際教養学部, 教授 (40460589)
伊藤 ゆり 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), がん対策センター疫学統計部, 主任研究員 (60585305)
花岡 和聖 立命館大学, 文学部, 助教 (90454511)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 人文地理学 / GIS / 公衆衛生学 / 小地域 / 疫学 / 社会調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は、収集済みの地理参照付きインターネット調査データを用いて近隣と健康の関連性についての分析を継続した。従来の標準的な調査法ではとらえにくい、近隣環境の動態的側面やミクロスケールの環境特性を数量化するための方法論的検討も進めた。 個別の解析については、日本における喫煙および新型タバコ使用の地域格差および身体活動と環境要因について成果があげられた。小地域(郵便番号区)を単位とする地理的剥奪指標の4分位に応じた地域レベルの喫煙率についてみると、個人レベルの社会経済状況を調整した後では、貧しい地域で喫煙率が高いといった明らかな相関関係は認められず、この点は新型タバコでも同様であった。従来から認められてきた社会経済状況とタバコ使用の関連についても、新型タバコの登場により以前とは異なる状況となっていく可能性が示唆された。また、身体活動については、3地域を対象とした追跡調査(731名)を用いて、ベースライン時の近隣環境(GIS: Walkability)と5年間の身体活動量(質問紙)の変化の関連を検討した結果、近隣歩行環境(Walkability)が良好な地区に居住する高齢者ほど追跡期間中のMVPA時間の減少幅が少なく、その傾向は都市部ほど顕著であった。 さらに、小地域指標を利用した健康格差対策に関する全体的な知見について、公衆衛生学会のシンポジウム、大阪国際がんセンターでの自治体関係者向けの研究集会を開催し、成果の社会的還元を実施した。健康格差縮小に向けた政策について、戦略形成のあり方、状況把握における指標の活用、地方行政における実施についても検討を進め、既存の公衆衛生制度において、エビデンスや学説をふまえた政策形成・実施をすすめる上で独自の課題がある点を整理したほか、英国にて議論されているシステム論アプローチについて検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に想定された社会調査の実施とデータ整理は完了し、論文発表、シンポジウムの開催について、想定されたペースで進められている。全体としての進捗は概ね順調である。ただし、健康格差のアトラスなど出版企画については遅れがある。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度であり、最終年度のまとめに向けた研究会議を開催し、各グループは設定された研究成果の完成に向けて残りの作業を進める。
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Research Products
(26 results)