2016 Fiscal Year Annual Research Report
安定同位体比を用いた農薬混入事件への危機管理対応の構築
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15H02980
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
川島 洋人 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (60381331)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 危機管理 / 鑑識学 / 輸入食品 / 残留農薬 / 環境分析 / 安定同位体 |
Outline of Annual Research Achievements |
2000年代の後半,液体クロマトグラフ/安定同位体比質量分析計(LC/IRMS)の融合・実用化が行われた。その結果,水溶性が高く,熱に不安定な個別成分の炭素安定同位体比が測定可能になった。現在,様々な分野において応用研究が世界中で活発に行われている。しかし,LC/IRMSを用いた農薬類を対象とした応用事例は,世界でまだ行われておらず,安定同位体比測定における特有の課題を考慮した基礎的実験から調査する必要がある。 現在のグローバル化した世界において,食品の流通は益々活発になっており,またテロリストにとっても農薬は容易に入手しやすい劇毒物であるため,様々な農薬類の異同識別法の確立は重要な意味を持つ。本研究では,近年開発されたLC/IRMSを用いて,販売流通量が多く,水溶性が高い農薬類の炭素安定同位体比の高精度分析法を確立し,すべての農薬を包括的にカバーすることで,農薬類の新たな危機管理手法の創設を目指す。 平成28年度は,研究代表者所属機関が保有しているLC/IRMS(Elementar社製,Liquiface/Isoprime)に,新たにHPLC(島津製作所社製,LC-VPシステム)を融合させることで,高精度分析法の確立を目指した。また,燃焼部や分離膜など,各種部品類は既往のものが不安定かつ高価格である等の課題があったため,問題のある部品類はすべて新たにルートを開拓して,交換することにした。その結果,はちみつ等,複雑な混合物においても,各種の成分(三糖,二糖,単糖,有機酸など)を分離しつつ,それぞれの炭素安定同位体比を高精度に分析することが可能になった。また,フランスの関税研究所が主催する国際的(13機関,8か国)な様々な成分(はちみつ,ワイン,ジュース等)のブラインドテストにも日本で唯一参加して,分析精度の確認を行うことが出来た。今後はこれらの分析方法を使って,農薬類などの分析を進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は,LC/IRMS(Elementar社製,Liquiface/Isoprime)に,新たにHPLC(島津製作所社製,LC-VPシステム)を融合させることで,高精度分析法の確立を目指した。また,燃焼部や分離膜など,各種部品類は既往のものが不安定かつ高価格である等の課題があったため,問題のある部品類はすべて新たにルートを開拓して,交換することにしたが,非常に安定的に高精度かつ高確度で分析することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は,農薬中に含まれる炭素安定同位体比や,残留農薬類の分析を行いたいと考えている。
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Research Products
(8 results)