2017 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトiPS細胞由来3次元臓器作出を可能とする臓器特異的3次元スキャホールド開発
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15H03001
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
菱川 慶一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (50255460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高戸 毅 東京大学, 医学部附属病院, 登録診療員 (90171454)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 再生医療 / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトiPS細胞による細胞(神経、血小板等)、組織(網膜、心筋等)レベルの分化誘導は可能となったが、高度な3次元構造を持つ臓器の作出は未だ報告が無い。腎臓は非常に複雑な構造と機能を持ち、その作出は一見困難と思われるが、腎臓構成細胞に適切なスキャホールドと生着環境を与えることにより、ウシおよびラットで機能腎の作出が報告されている。さらに、ヒトiPS細胞から糸球体や尿細管を3次元的に分化誘導可能であることも報告され、適切なスキャホールドと生着環境を決定できれば、理論的には腎臓の作出は可能である。申請者らは再生医療の実現化プロジェクトにおいて、3次元合成ハイドロゲル培養はヒトiPS細胞のゲノム安定性をもたらす等、3次元スキャホールドの再生領域に関する優位性を検討してきた。本研究ではヒトiPS細胞を用いて、腎臓を手始めに、ヒトiPSから3次元臓器作出を可能とする組織(臓器)特異的なスキャホールド開発をめざす。腎臓特異的スキャホールド、支持スキャホールドであるTGP組成の適正化により、iPS細胞から3次元人工腎臓の作出が可能か検証する。27年度ではマウスを用い、I)界面活性剤還流による、腎臓特異的スキャホールドの作成、II)マウスiPS細胞から腎臓前駆細胞の分化誘導、III) 支持スキャホールドとしてのTGP組成の適正化による腎臓構成細胞の腎臓特異的スキャホールドへの生着を検証した。28年度以降ではIV)作出した3次元人工腎臓の機能評価をバイオリアクター内での器官培養および尿組成で評価した。マウスでの作出条件が適正化されたら、次にヒトiPS細胞および免疫不全ブタを用い、マウスと同様の手法で臨床応用可能な、3次元人工腎臓をを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Iで作成した腎臓特異的スキャホールドに、IIで作成した腎臓構成細胞を生着させる為の、支持スキャホールドの組成を最適化するためのスクリーニングを行った。1TGP自体はPEGとNIPPAmから形成されている為、細胞接着因子を持たない。しかし、腎臓構成細胞の支持スキャホールドとしての役割を考えると、接着因子の負荷により、生着率を高められることが予想されたが、生着率が悪く、研究は遅れ気味である。
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Strategy for Future Research Activity |
各種条件設定が必要となり、専任の技術者を要する。その為、研究費の人件費割合を高め、効率化を図る。
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Research Products
(1 results)