2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H03028
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
芳賀 洋一 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00282096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西條 芳文 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00292277)
松永 忠雄 東北大学, マイクロシステム融合研究開発センター, 助教 (00396540)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ガイドワイヤー / 超音波イメージング / 電磁駆動 / 走査 / 血管内治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管内治療の際に用いるガイドワイヤー先端に搭載し、超音波トランスデューサ素子1個を電磁的に振動させる細径前方視血管内超音波内視鏡を開発する。独自の非平面フオトファブリケーション技術による曲面上へのコイルおよび配線形成技術と組立実装技術を駆使して、ガイドワイヤー先端に搭載できるほど小型な外径0.36mmの超音波イメージヤーを実現し、動脈硬化に伴う冠動脈、四肢末梢動脈などの血管内高度狭窄、完全閉塞を安全かつ確実に再開通治療をするために役立てる。 超音波素子を多数並べて電気的に切り換えて行う電子スキャンでは、細径化に伴い視野角と方位分解能に限界が生じるが、比較的大きい1個の素子を機械的に振動させるメカニカルスキャンを用いることで、方位分解能の向上、広い視野角を実現できる。 本年度は、振動子を1軸の梁(ビーム)で支えた駆動機構の試作および駆動の評価を中心に行った。今後、その周囲を液体と気体を隔離する膜(ダイヤフラム)を配置する構造とし、ダイヤフラムとして、コルゲート構造をした非伸縮性のポリマーであるパリレン(ポリパラキシリレン)を用いた試作を行う。また、駆動機構へ取り付ける超音波素子の電極形成と加工方法について設計、試作を行うとともに駆動機構への実装について設計および作製プロセスの改良を進めている。 今後試作する駆動機構についてコイルの形状を、鞍型コイルを中心に最適化を目指した設計を行い、この駆動コイルを挟むように前後にソレノイドコイルを置き、駆動のタイミングに合わせて振動をアシストする磁界を発生させ振幅の値を向上する予定である。駆動コイルの作製は複数の凹面を1列に配置した基板上に非平面フォトファブリケーションにより複数のプローブを一括作製する。段差が200μm以下になるので投影露光による一括パターニングを用いる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
電磁駆動とその評価を優先したため、超音波素子の搭載、ダイヤフラム部作製、細径化についてやや遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで、振動子を電磁的に駆動する機構の試作および駆動とその評価を中心に行ったが、今年度において超音波素子の試作評価を中心に行い、駆動機構へ超音波素子を実装し、超音波送受とメカニカルスキャンによる超音波ビームの走査を行う。超音波ファントムおよび摘出組織を用いた撮像実験、評価を行い設計にフィードバックする。独自に開発した非平面フォトファブリケーション技術を用い試作を行うが、血液に触れるデバイスのため1回使い捨て(ディスポーザブル)にする必要があることから、前述のプロセスを発展させ、セミ量産を可能とする一括作製プロセスとする。個々のプロセスについては比較的見通しが立っているが、細径化に伴う組立の難しさと作製誤差による振動特性のばらつきなどが開発の進行を妨げる心配があり、特に組立誤差が致命的な要素にならないよう、問題となる部品および組立工程について、設計変更、組立プロセス改善の対策を行う。
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