2017 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental study on elucidation of target molecule of joint contracture and development of therapeutic strategy for new physical therapy
Project/Area Number |
15H03045
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
沖田 実 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (50244091)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 治郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (20380834)
坂本 淳哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (20584080)
本田 祐一郎 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (40736344)
佐々部 陵 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (50710985)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 理学療法学 / 拘縮 / 線維化 / 標的分子 / HIF-1α / 治療戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究成果から,拘縮の主要な病態は関節周囲軟部組織に発生する線維化であり,その発生メカニズムに関与する標的分子は低酸素誘導因子(hypoxia inducible factor-1α; HIF-1α)であることが想定されている.つまり,不動によって惹起される関節周囲軟部組織の低酸素状態を緩和し,HIF-1αの発現を抑制できれば,拘縮の予防につながる可能性がある.そこで,今年度は不動によって惹起される骨格筋の低酸素状態の緩和を目的に,周期的な筋収縮の誘発による筋ポンプ作用の促進を図る理学療法学的治療戦略を開発し,その介入効果をラットの実験モデルを用いて検証した.具体的には,ラット足関節尖足拘縮モデルを用いて,4週間の不動の過程で1Hzの刺激周波数による60分間の電気刺激(週5日)によってヒラメ筋に周期的な単収縮を誘発し,筋ポンプ作用の促進を図った(電気刺激群).そして,4週間の実験終了後はヒラメ筋を採取し,線維化関連分子の動態をreal time RT-PCR法で検索した.その結果,電気刺激群は不動処置のみを行った不動群と比較してHIF-1αmRNA 発現量が有意に抑制されており,このことは不動によって惹起されるヒラメ筋の低酸素状態が緩和されていることを示唆している.そして,TGF-βやα-SMA,タイプI・IIIコラーゲンといったすべての線維化関連分子のmRNA 発現量も電気刺激群は不動群より有意に抑制されており,このことは線維化の進行が抑制されていることを示唆している. 以上のことから,拘縮の発生メカニズムに関与する標的分子の一つはHIF-1αであることは間違いなく,その発現を抑制することで拘縮の予防につながることが明らかとなった.
|
Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(12 results)