2015 Fiscal Year Annual Research Report
膝関節から生じる振動信号の解析による変形性膝関節症の早期診断方法の確立
Project/Area Number |
15H03047
|
Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
太田 進 星城大学, リハビリテーション学部, 准教授 (50452199)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷 和徳 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (10357775)
坂井 建宣 埼玉大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (10516222)
酒井 忠博 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (60378198)
伊東 保志 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, その他部局等, 研究員 (70268069)
大古 拓史 星城大学, リハビリテーション学部, 助手 (60715126)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 変形性膝関節症 / 軟骨 / 関節音 / 振動 / 周波数解析 / インパルス応答 / 予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
椅子から立ち上がる時に膝関節から生じる振動(ガサガサした感じ)を計測して,膝の変形を早期に発見する簡易な方法を開発することを研究の目的としています.本研究は,膝の変形になる率の高い女性を対象にして進めています.立ち上がり時に膝から起こる振動の計測では,今の所,健常成人,高齢者,変形性膝関節症の方それぞれ25名,計75名の計測を行いました.膝の変形がある方は,立ち上がりきる直前で,高い振動がある傾向を認めました.高齢者の方は,その結果がばらつきました.つまり,膝関節の変形(軟骨の性状)に,ばらつきがあるからかもしれません.引き続き対象者を増やし,MRIによる軟骨の評価も合わせて行っていく予定です.また,別の研究では,膝の上の骨(大腿骨:ももの骨)を叩いて,その振動を膝の下(すねの骨)で計測して,膝の変形を予測するインパルス応答という方法を用いた研究も実施しました.建物などを叩いて,その音を聞いてひび割れなどがないかを検査する方法を膝に応用した研究です.健常成人,高齢者の2つのグループ間の違いを検討しました.その結果,健常成人では,20-30Hz 程度の周波数の振動が高齢者より,膝関節で吸収されているようです.つまり,軟骨が正常の場合,そのような範囲の周波数の振動が吸収されるのかもしれません.この研究を実際に応用するには,膝上に20-30Hzの振動を与えて膝下でどの程度,その振動が弱くなるか検査する方法を検討することが考えられ,次の研究課題と考えています.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
立ち上がり時の膝関節から起こる振動の計測(研究1)は,予定通りに実施できました(75名の計測と解析).インパルス応答による計測(研究2)も予定通りに計測が進みました(50名の計測と解析).
|
Strategy for Future Research Activity |
研究1に関しては,更に50名程度の対象者を増やして計測を進めて,立ち上がり時,膝関節振動からの予測する判別式を作成し,その精度を検証する.そのため,MRIの計測も更に追加して実施する.研究2は,下肢の固定などの問題点,改善点も検討できたため,再度平成28年度もしくは29年度に実施を予定している.研究3であるラットの変形性膝関節症モデルの関節音の計測は,平成27年度の検証では,徒手的な関節運動で実施可能と考えれ,平成28年度に実施予定である.研究4である大型動物(牛など食用の動物)の膝を用いた音源探索は,現時点では,まだ進めていないが,既存する機械振動計測領域の音源探査システムの応用も検討して行く.
|
Remarks |
今までに採択された科学研究費の成果をまとめています.
|
Research Products
(7 results)