2016 Fiscal Year Annual Research Report
膝関節から生じる振動信号の解析による変形性膝関節症の早期診断方法の確立
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15H03047
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Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
太田 進 星城大学, リハビリテーション学部, 准教授 (50452199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷 和徳 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (10357775)
坂井 建宣 埼玉大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (10516222)
酒井 忠博 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (60378198)
伊東 保志 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 機能発達学部, 主任研究員 (70268069)
福山 篤司 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (40452198)
後藤 基志 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (00290916)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / 軟骨 / 関節音 / 振動 / 周波数解析 / インパルス応答 / 予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
椅子から立ち上がる時に膝関節から生じる振動(ガサガサした感じ,膝で音がする)を計測して,膝の変形を早期に発見する簡易な方法を開発することを目的にしています.昨年度に引き続き,中年期の対象者も追加し,健常成人,中年期,高齢者,変形性膝関節症症例をそれぞれ30名の約120名の関節音を計測しました.変形性膝関節症の骨の変化(末期)と健常成人では,立ち上がり時に膝が伸びる付近で高い振動があり,また膝の骨の変化があると複数回の大きな音が鳴る(回数)ことから,判別が可能な式を算出しました.本年度は,21名のMRIを計測して,膝関節の軟骨の初期の変化と比較しましたが,十分に判別できるところまではいきませんでした.そのため,骨の変化を判別する式と軟骨変化を判別する式を別に考える必要があると考えました.また,そのような判別式を作成するにあたり,臨床で応用可能なより簡便に膝の角度も振動も図れる方法が必要と考え,平成29年度は,それらの方法も検討していきます.そして,立ち上がりでは,それぞれに立ち上がり方が異なるため,受動的かつ膝関節に荷重を加えることのできる試作を重ねた装置を用いて,膝関節音の計測も行います.また,食用の大型動物の膝軟骨モデルも作成して,振動数の変化を確認する予定です.インパルス応答(膝上に刺激を入れて,脛骨でその振動の変化を計測)の研究より,20-30Hzの振動が健常膝において吸収されやすい昨年度の結果より,30Hzの音叉を膝上に入力して,膝下(脛骨)で計測した.本年度は,その解析も進める.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
120名の関節音の計測,50名のインパルス応答の計測,20名のMRI計測が終了しており,おおよそ順調に研究は進んでいる.解析も変形性膝関節症症例と健常成人の膝の判別式(何を変数とすると判別が可能か)までは,算出した.
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Strategy for Future Research Activity |
受動的かつ膝関節に荷重を加えることのできる装置を作成したため,本年度はその装置を用いて,関節音の計測を行います.また,臨床応用可能な方法の構築も目指します.すでにデータ計測はしている30Hzの音叉を用いたインパルス応答の解析を進めます.動物実験ではラッドモデルの関節音の計測を予定していますが,ノイズのコントロールがかなり難しいと予測します.食用大型動物の膝軟骨変化モデルを用いて,基礎的な研究を行う準備はできているため,本年度実施する予定です.
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Remarks |
今までに採択された科学研究費の研究成果をまとめています.
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Research Products
(9 results)