• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2015 Fiscal Year Annual Research Report

力学的アシスト装置が人歩行動作に及ぼす影響の理論的および実験的解明

Research Project

Project/Area Number 15H03053
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

山本 元司  九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90202390)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords歩行アシスト / 歩行力学モデル / 高齢者歩行
Outline of Annual Research Achievements

単純な力学モデルから,ある程度複雑なものまでの人歩行モデルを試作し,若年者と高齢者の歩行の違いが表現できる,できるだけ単純な歩行モデルを作成した.最も単純なものは1関節の脚コンパス歩行モデルであり,多少複雑な方は脚コンパスモデルに胴体部を付加したものである.この多少複雑なモデルにおいては,筋力(関節トルク)の違いと関節可動範囲の違いから若年者と高齢者の歩行の違いが表現できることがわかった.
さらにこの歩行力学モデルを用いて,アシスト力を追加した場合の消費エネルギーの計算と歩容の計算をおこなった.その結果,これまでの実験で示唆されるような,エネルギ消費低減と歩容の変化,すなわち歩行比向上や足先高さ増加などの傾向が確認できた.
アシスト装置の安全性に関して,アシスト力学モデルでの検証は,力学モデルに対する外力・外乱を与えた場合に,どの程度の安定歩行ロバスト性があるかを確認した.
アシスト効果のより高いアシスト力パターンを,歩行モデルを用いて種々検討することをおこなった.このとき,歩行周期に対して,アシスト開始タイミング,アシスト力ピーク形状,アシスト終了タイミングを変化させて種々調べたところ,ほぼ遊脚開始時からアシストを開始し,アシストピークは比較的前半に設定し,遊脚周期のおよそ80%で終了するものがエネルギー低減効果が高いことがわかった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

歩行力学モデルに関しては,従来の単純な脚コンパスモデルに胴体部を付加したことで,ヒト歩行に近い動作が得られた.しかしながら,関節に相当する自由度が増加したことで,ヒト歩行のような外乱にも強い歩行動作を得ることが従来より難しくなった.
モデルの妥当性を確認するため,アシスト無しと有りの場合で,モーションキャプチャ装置と床反力を得るためのフォースプレートによる歩行計測をおこなった.この結果,下腿部部の歩行動作が多少異なり,また床反力が実際とモデルとではかなり異なることがわかった.これにより歩行推進力を得るための足首関節と膝関節の役割が重要であることが示唆された.
アシスト装置の安全性に関して,アシスト力学モデルでの検証では,力学モデルに対する外力・外乱を与えて,モデル上での安定した歩行が持続できるかどうかで安全性を見積もる方法を採用した.
アシスト効果のより高いアシスト力パターンを,歩行モデルを用いて種々検討することをおこなった.このとき,歩行周期に対して,アシスト開始タイミング,アシスト力ピーク形状,アシスト終了タイミングを変化させて種々調べた.
アシスト装置を用いた実験的検証に関しては,従来より使用してきた,自由歩行可能なトレッドミルを用いて,モーションキャプチャ装置を設置して,歩容ほか歩行様式,すなわち,歩幅や歩行速度,膝高さ,足首高さ,および床反力を計測できる環境を整備した.

Strategy for Future Research Activity

アシスト歩行力学モデル構築に関しては,よりロバスト性の高い力学モデルの必要性がある.特に歩行推進機構の点から,足首関節と膝関節が重要である.従って,関節自由度を増やした力学モデルを検討する必要がある.神経振動子などの概周期的に安定な非線形力学系の応用を考える.また,構築したアシスト歩行力学モデルから示唆される,アシスト力変化による歩容変化,すなわち歩幅,ケイデンス,歩行速度の変化が,トレッドミルを用いたアシスト歩行実験で検証されるアシスト力変化による歩容変化と整合するか,モデルおよび実験的に若年者と高齢者で確認する.
アシスト装置の安全性に関しては,より精密なモデルによるシミュレーション上での確認とともに,アシスト装着した状態での実験において,モーションキャプチャと床反力から得られる,重心位置変動情報などを用いて実験的評価も行う予定である.

  • Research Products

    (5 results)

All 2016 2015

All Journal Article (1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] Experimental evaluation of energy efficiency for a soft wearable robotic suit2016

    • Author(s)
      Shanhai Jin, Kazunobu Hashimoto and Motoji Yamamoto
    • Journal Title

      IEEE Transactions on Neural Systems and Rehabilitation Engineering

      Volume: 未定 Pages: 未定

  • [Presentation] パラレルワイヤロボットにおける定荷重ばねを用いた剛性調整機構の提案2016

    • Author(s)
      神田宗一郎,山本元司
    • Organizer
      第21回 ロボティクスシンポジア(日本機械学会・日本ロボット学会,計測自動制御学会)
    • Place of Presentation
      長崎伊王島
    • Year and Date
      2016-03-17 – 2016-03-18
  • [Presentation] 消費エネルギーと歩容の変化に注目した柔軟な装着型歩行アシスト装具の効果の統計的検証2015

    • Author(s)
      金山海,橋本和信,山田博,山本元司
    • Organizer
      第33回日本ロボット学会学術講演会
    • Place of Presentation
      東京電機大学
    • Year and Date
      2015-09-03 – 2015-09-05
  • [Presentation] 上肢と下肢の協調運動を促す歩行訓練システムの開発2015

    • Author(s)
      中島康貴,河野信哉,松本侑也,小林 洋,藤江正克,山本元司
    • Organizer
      日本機械学会 ロボティクスメカトロニクス講演会'15
    • Place of Presentation
      京都市みやこメッセ
    • Year and Date
      2015-05-17 – 2015-05-19
  • [Presentation] リニアアクチュエータを用いた歩行アシスト装置の開発と 歩行シミュレーションによるアシスト効果の検証2015

    • Author(s)
      田原健二,岡田共史,中島康貴,山本元司
    • Organizer
      日本機械学会 ロボティクスメカトロニクス講演会'15
    • Place of Presentation
      京都市みやこメッセ
    • Year and Date
      2015-05-17 – 2015-05-19

URL: 

Published: 2017-01-06  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi