2015 Fiscal Year Annual Research Report
刺激に応答して光る腸管神経の再生・新生機構の解明と制御の新たなる展開
Project/Area Number |
15H03057
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
高木 都 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (00033358)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
中井 淳一 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (80237198)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | リハビリテーション医学 / カルシウムイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的(概要)※ 当該研究計画の目的について、簡潔にまとめて記述してください。 申請者らが排便反射を促進する作用を発見した低分子化合物5-HT4刺激薬、クエン酸モサプリド(MOS)の腸壁内神経系再生促進剤としての、多領域にわたる神経の再生・新生作用の可能性とそのメカニズムを明らかにし、その制御の可能性を可能にするための基盤となるエビデンスを得て、神経障害に起因する様々な障害事象で難渋している患者に資することを目的としている。 そこで、まず、直腸癌切除手術後を想定した腸管切離吻合モデルでMOSにより再生・新生した壁内神経系の性質やそのネットワークの生理的機能を2光子励起顕微鏡や共焦点顕微鏡によるin vivoイメージングにより生きたまま生理学的に評価した。MOSによる壁内神経系の再生・新生にはc-RET遺伝子が深く関与していることがわかった。また、神経幹細胞移植(中枢神経由来ではあるが)を行った結果、腸管切離吻合に限定されて神経細胞に分化していることがわかった。 さらに、まず手始めとしてThy1-G6-mCherry トランスジェニックマウスでCa2+イメージングを行い成功させた。神経節刺激薬DMPPを投与するとそれほど数は多くないが、明るく光る神経細胞を認めた。今後は、埼玉大学中井教授との共同研究で、刺激に応答して光る腸管神経を発現したトランスジェニックマウスを使ってのCa2+イメージング法を確立する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Thy1-G6-mCherry トランスジェニックマウスでin vivoでのCa2+イメージングは可能であることは実験的に証明できた。これは、今年度の目標をほぼ達成できたと考えられる。 腸管切離吻合モデル等を作成し、5-HT4受容体刺激薬、クエン酸モサプリドの飲水投与による壁内神経系再生・ 新生促進作用とそのメカニズムの解明については別のタイプのトランスジェニックマウスでは成功したが、Thy1-G6-mCherry トランスジェニックマウスでのin vivoでのCa2+イメージングはまだできていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
光遺伝学を応用するため腸壁内神経にチャネルロドプシンやアーキオロドプシンを発現するThy1-G6-mCherry TG マウスを交配により作成し、腸管の切離吻合モデルを作成する。これは共同研究者の中井が鋭意進めている。このマウスが用意できれば、術後1-2-4週間クエン酸モサプリド100 microMの飲水投与を行い、吸入麻酔下に横臥したマウスから引き出した回腸を2光子励起正立顕微鏡にてin vivo Ca2+イメージングを施行する。その際、チャネルロドプシンやアーキオロドプシンを発現する吻合部の口側または肛門側に分布する細胞に光を当てて刺激して、再生・新生した腸壁内神経系の応答を調べる。
|