2016 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジー関連タンパクの生体防御センサー制御による骨格筋萎縮予防機構の解明
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15H03080
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
奥津 光晴 名古屋市立大学, 大学院システム自然科学研究科, 講師 (80409755)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 運動 / 抗酸化酵素 / 血管新生 / 骨格筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋特異的なオートファジー関連タンパクのノックアウトマウスを作成し、骨格筋萎縮の軽減に対するオートファジー関連タンパクの役割を立証した。実験に使用した筋特異的なオートファジー関連タンパクのノックアウトマウスはcre/loxp発現制御系を用い作成した。マウスはC57BL/6にて戻し交配し、99.5%以上がC57BL/6マウスの状態で交配に使用した。交配し出生した遺伝子改変マウスはPCR法で遺伝子改変型と野生型に判別し、野生型マウスはコントロールとして実験に使用した。また、解剖後にオートファジー関連タンパクの発現をウェスタンブロットにて確認し、遺伝子改変の有無を正確に評価した。骨格筋萎縮の軽減モデルには運動トレーニングを使用した。方法は、マウスに4週間の自発走行運動を実施させ、運動期間終了24時間後にヒラメ筋、足底筋、腓腹筋および外側(白色)広筋を採取し、筋重量をすばやく測定した。筋重量測定後、各骨格筋は、ウェスタンブロットあるいはRNA抽出用の溶液にてホモジネイトし、タンパクやmRNAの変動を検討した。その結果、ノックアウトマウスは、筋線維タイプや筋線維タイプを調節する代表的な因子であるPGC-1αなどの発現が野生型と違いがないにも関わらず、一部の抗酸化酵素が野生型マウスに比べ有意に減少した。また、運動トレーニングの結果、ノックアウトマウスと野生型マウスの自発走行距離に有意差はなかった。現在、筋線維タイプ、ミトコンドリアや抗酸化酵素の変動について詳細な検討を推進している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた実験のほぼ全てを実施することができた。トランスジェニックマウスの作成は完了していないが、マウス個体では検出が困難だった標的タンパクのリン酸化の検出に成功した。したがって、これまでのところ研究は概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に作成した筋特異的なオートファジー関連タンパクのノックアウトマウスに筋萎縮を誘導し、筋萎縮の悪化をノックアウトマウスと野生型マウスで検討する。また、筋特異的なオートファジー関連タンパクのトランスジェニックマウスに筋萎縮を誘導し、筋萎縮の抑制に対するオートファジー関連タンパクの生理学的な役割を検証する。
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Research Products
(4 results)