2016 Fiscal Year Annual Research Report
Roles of autonomic nervous system and autoantibody in mental health Prospective study about effects of the aroma
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15H03084
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
吉川 弘明 金沢大学, 保健管理センター, 教授 (10272981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 由美 金沢大学, 保健管理センター, 准教授 (30447677)
小笠原 知子 金沢大学, 保健管理センター, 特任助教 (20772586)
横山 茂 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (00210633)
岩佐 和夫 金沢大学, 医学系, 准教授 (10345613)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | メンタルヘルス / 自律神経機能 / 香り効果 / 心拍変動解析 / 自閉症スペクトラム障害 / ランダム化比較試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
青年期の死因第一位が自殺であるように、大学におけるメンタルヘルス対策は重要であるが、メンタル不調者の一部には自閉スペクトラム症が根底にあると考えられている。近年、自閉スペクトラム症には自律神経機能障害を伴い、それが気分障害の原因となる可能性が示唆されている。本研究では大学生のメンタルヘルスを自律神経機能、神経細胞に対する自己抗体、高次脳機能の面から評価するとともに、自律神経調節作用がある「香り」が与える影響を自律神経機能、高次脳機能の観点から検討する。メンタル不調の根底にある自閉スペクトラム症を自律神経機能と神経細胞に障害を与える自己抗体の面から評価し、感覚系の中でも脳機能に強く影響を与える嗅覚に対する介入を試みることで、青年期のメンタル不調の予防と治療戦略への貢献が期待される。 H28年度は、研究代表者や研究分担者が担当している授業や、ポータルサイトなどで被験者を募集し、当初の目標人数100名に近い被験者を集めることが出来た。被験者のデータは、解析作業に移れるよう保存してあり、次年度に向けて準備が整っている。また、データ解析のための少数データを使った検証作業を進めており、おおむね順調に次年度に向けた解析に移れることを予想している。血清中の抗神経抗体測定に関しては、研究分担者が測定系の開発を進めている。cDNAを大腸菌に組込んだ発現系の解析では、GluN1, GR1A2, nAChR alpha3, nAChR alpha7, GAD1(GAD67), Folate receptorのたんぱく発現が確認できている。次年度を用いてたんぱく大量発現を行い、多数の検体の測定作業にかかる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学生相談室に何らかの悩みや大学生活適応の困難さを抱えて来室する学生と、学生相談室を利用しない学生を対象として、ランダム化前向き比較試験を計画通りに実施した。本研究の目的は、学生相談に来室する学生とそのような経験がない学生の特性を、心理検査、生理学的検査(心拍変動解析、睡眠計、活動量計)、血液検査(血清中の抗神経抗体)により調べるとともに、心地よいと感じる香りの、これらの指標に対する効果を調べるものである。被験者は男性と女性にそれぞれに設定した傾向の違う5種類の香りの中から、最も心地よいと感じる香りを1種類選んで、対象サンプルと1週間ごとに切り替えて使用した。香りを使用する前に被験者は、WAIS-III、自閉症スペクトラム指数(AQ)を受け、1週間ごとにSTAI, SF-12、エゴ・レジリエンス尺度(ER89)をフォローした。また、心拍変動解析のためのデータを1週間ごとに記録した。また、採血の上、血清を分離して凍結保存した。血清中のグルタミン酸受容体、神経型アセチルコリン受容体、グルタミン酸デカルボキシラーゼを標的とした自己抗体を測定するため、それぞれの分子に対するcDNAを得て、大腸菌に大量に発現させたのち精製し、ナノファイバーに混入することによって、安定した抗原抗体反応を定量出来る測定系を構築する準備を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
被験者をおおむね順調に確保することが出来たため、データの解析を開始する。解析作業には、多くの労力がかかるため、分担研究者と協力しつつ作業を進める。血清中の抗神経抗体測定に関しては、研究分担者とともに測定系の妥当性を検証しつつ、安定した測定結果が得られるよう検証作業を行っていく。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] Attitudes toward Marriage and Parenthood among Japanese High School and University Students.2016
Author(s)
Sado T, Nishio A, Horita R, Yoshikawa H, Adachi Y, Matsuura K, Ikai S, Takada M, Hayashi F, Miyashita R, Yamamoto M.
Organizer
The 6th Asian Congress of Health Psychology (ACHP 2016)
Place of Presentation
Yokohama
Year and Date
2016-07-23 – 2016-07-24
Int'l Joint Research
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