2017 Fiscal Year Annual Research Report
褐色脂肪組織に着目した筋力トレーニングおよび栄養介入による肥満予防法の開発
Project/Area Number |
15H03100
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
浜岡 隆文 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (70266518)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 褐色脂肪 / 鎖骨上窩 / 年代別 / 男女別 / 体脂肪 / 外気温 |
Outline of Annual Research Achievements |
褐色脂肪組織密度について、性、年齢別の基準値を設定することを目的とした。また、褐色脂肪組織密度の季節変動や個人差の要因を遺伝的側面、代謝的側面、および環境面から検討することも目的とした。 健常成人男女(20歳以上90歳未満)200名に対して、褐色脂肪組織密度、体組成(身長、体重、皮下脂肪、内臓脂肪)、安静時心拍数、安静時血圧、鼓膜温、腋下温、メタボローム解析、遺伝子解析、血液検査(一般検査項目)、生活習慣に関する問診を実施した。メタボローム解析は、抗体法を用いたホルモン(コルチゾール、分泌型IgAなど)と、液体クロマトグラフィーまたはキャピラリー・電気泳動質量分析装置(LC-MSまたはCE-MS)を用いた代謝物の網羅的な測定を行った。 遺伝子解析:SNP(Single Nucleotide Polymorphism)検査にて、脱共役タンパク質1遺伝子(UCP1)、β-2アドレナリン受容体遺伝子(β2-AR)、β-3アドレナリン受容体遺伝子(β3-AR)、FTO(fat mass and obesity-associated)遺伝子、カプサイシン受容体(TRPV1)、ヨードチロニン脱ヨウ素酵素タイプ2(DIO2)、peroxisome proliferator activated receptor gamma (PPARγ) 転写共役因子(PGC1α)、Cold-inducible glycoprotein of 30 kDa(ELOVL3)とした。 測定の結果、褐色脂肪組織密度は、年齢と共に有意に低下することが確認できた。また、褐色脂肪組織密度と体脂肪率や内臓脂肪面積は、有意な負の相関が見られた。さらに、冬期における外気温の低下が、褐色脂肪組織密度の増加に関連していることが示唆された。なお、メタボローム解析と遺伝子解析は、現在、検討中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
褐色脂肪組織密度の性、年齢別の規準値がほぼ設定できた。また、褐色脂肪組織密度と体脂肪率や内臓脂肪面積との負の相関が確認できた。さらに、冬期における外気温の低下が、褐色脂肪組織密度の増加に関連していることが示唆された。これらの結果を現在、論文投稿しており、revise中である。しかし、メタボローム解析と遺伝子解析は、現在、検討中であることから、進捗状況は、「おおむね順調に進展している」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
メタボローム解析と遺伝子解析は、平成30年度中に実施予定である。また、平成30年度については、年齢に伴う褐色脂肪の低下が、生活習慣や環境により抑制できるか否か、また、栄養面での介入により改善できるか否かについて検討する予定である。
|
Research Products
(10 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 糖尿病学20172017
Author(s)
浜岡隆文,二連木晋介,坂根直,米代武司,斉藤昌之
Total Pages
164
Publisher
診断と治療社
ISBN
9784787823014