2015 Fiscal Year Annual Research Report
活性天然物の結合タンパク質同定を基盤にする新規薬剤標的の開拓
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15H03114
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒井 雅吉 大阪大学, 薬学研究科, 准教授 (80311231)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 活性天然物 / 標的分子 / ケミカルバイオロジー / 感染症 / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
構築した6種のフェノタイプスクリーニング法で探索研究を進めた。その結果、がん微小環境に作用する活性天然物として、海綿由来の新規ポリケチドおよび新規ピリジンアルカロイドを発見した。また、活性新規化合物として、ポリブロモフェノール類を単離・同定した。また、潜在性結核菌に有効な抗菌物質として、2種類の化合物を単離し、現在、その化学構造解析を進めている。一方、継続して進めている抗結核活性を示す海綿由来のアルカロイド、ならびに低酸素環境に適応したがん細胞選択的に増殖阻害活性を示すセスキテルペンについては、アナログ化合物合成による構造活性相関を明らかにして、そのプローブ化に成功した。さらにファージディスプレー法で結合タンパク質解析を進めていた、海綿由来のデプシペプチドについては、その候補タンパク質を2つに絞ることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従い探索研究を進めた結果、新規化合物を含む数種の活性物質を発見している。また、標的分子解析に向けたアナログ化合物による構造活性相関研究およびプローブ分子の合成も着実に進展している。さらに継続して進めていた海綿由来のデプシペプチドについては、その結合タンパク質候補を2種のタンパク質にまで絞り込むことに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在構造解析を進めている活性物質の化学構造を明らかにするとともに、今年度見出した化合物の作用メカニズム解析を開始する。また、プローブ分子化に成功したアルカロイドおよびセスキテルペンについては、細胞や菌体破砕物を利用するプルダウンアッセイやファージディスプレー法を適用して、その結合タンパク質の解析を進める。
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Remarks |
大阪大学大学院 薬学研究科 天然物化学分野ホームページ http://www.phs.osaka-u.ac.jp/homepage/b012/
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Research Products
(13 results)