2017 Fiscal Year Annual Research Report
Concise Synthesis and Skeletal Diversification of Natural Products and their Variants Employing a Multipotent Intermediate.
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15H03117
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
大栗 博毅 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80311546)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 骨格多様化 / アルカロイド / 生合成摸倣 / 二量化反応 / 環化反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
天然物ならではの優れた生体制御機能を合成化学的に拡張するアプローチとして,申請者らが数年来手掛けている“骨格多様化合成”を更に発展させる。 ジヒドロピリジン(DHP)類を経て生合成される海産アルカロイド群からは、強力な生理活性を示す化合物が数多く発見されている。マンザミンアルカロイド類に関連する既存の生合成模倣型合成研究では、1,6-DHPを活性化するとヒドリドシフトが進行し、不均化反応が優先する問題点があった。本研究では、1,6-DHPの6位にジメチル基を導入した基質を設計し、ヒドリドシフトを伴うDHPの不均化を抑制し、二量化反応の収率向上を目論んだ。筆者らが開発した1,6-DHP形成法で基質を効率的に合成し、銅触媒存在下で1,6-DHPを加熱すると、ハリシクラミンAとほぼ同一の部分構造を持つ二量体が中程度の収率で得られた。銅錯体の代わりにジフェニルリン酸を触媒とすると、収率が大幅に向上し、二量体を定量的に得ることに成功した。更に、本反応が可逆的に進行することを見出した。 中員環が縮環したインドール骨格は、多くの生物活性天然物に共通する構造モチーフである。N-プロパルギル基を導入したβ-テトラヒドロカルボリンを亜鉛(II)トリフラートで活性化し、三系統のアルカロイド骨格を作り分ける方法を開発した。反応点近傍にメチルエステルを有する基質にt-ブタノールを溶媒として亜鉛(II)トリフラートを作用させると、末端アルキン基質からは7員環が、内部アルキン基質からは8員環が良好な収率で生成した。一方、メチルエステルをアミドへ変換した基質では、スピロ環形成が優先的に進行することを見出した。 北海道大学との共同研究で反応経路自動探索を適用し、実験事実と良好な一致を示す反応機構を提案している。更に、一連の反応がt-ブタノールにより著しく加速される溶媒効果についても興味深い知見を得た。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)